ネットワーク効果完全ガイド

プロダクト開発において、ネットワーク効果は不思議なキーワードの一つです。ネットワーク効果に関する記事はたくさんあり、中には専門家向けの詳しい素晴らしい記事もあります。しかし、ネットワーク効果の各コンセプトをマッピングし、それらがどのように関連しているかを説明している記事は見当たりません。そこで、ネットワーク効果の詳細や関係、概念を思い出すために、いつでも戻ってこられるように、この記事を書くことにしました。

この記事や添付されているプロダクトマネジメントの記事をただ読んで終わりにするのではなく、共感したところをハイライトして、感想や学びをGlaspに残しておきましょう。そうすれば、いつでも見返すことができ、私たち皆が同時に学習することができます。

準備ができたら、さっそく始めましょう。


▼本記事の内容
  1. ネットワーク効果とは?
  2. なぜネットワーク効果なのか?
  3. ネットワークの法則
    1. サルノフの法則
    2. メトカーフの法則
    3. リードの法則
  4. ネットワークの特性
    1. ノードとリンク
    2. ネットワーク密度
    3. 方向性
    4. 1対1と1対多
    5. クラスタリング
    6. クリティカルマス
    7. 不規則性
    8. 非対称性
    9. 漸近的ネットワーク効果
    10. 同一面ネットワーク効果
    11. 間接的ネットワーク効果
    12. クロスサイドネットワーク効果
    13. 負のネットワーク効果
    14. 隠れたネットワーク効果
  5. ネットワーク効果の種類
    1. 直接的
    2. 2面的ネットワーク効果
    3. データ
    4. 技術パフォーマンス
    5. 「社会的 」ネットワーク効果
    6. コンテンツ・ネットワーク効果
  6. ネットワークを自己成長させる方法
  7. ネットワーク効果を測定する方法
  8. 押さえておくべきポイント
    1. マルチテナント
    2. ディスインターミディエーション(仲介者の排除)
    3. スイッチング・コスト
    4. リテンション
    5. 実名制 vs 偽名制 vs 匿名制
    6. 蒸発冷却効果
    7. ソーシャルネットワークのデススパイラル
  9. 紛らわしい概念
    1. バイラル効果とバイラリティ
    2. 幾何学的 (指数・非線形) 成長 vs. 線形成長
    3. 強化
    4. 規模の経済性 (スケール効果)
    5. ブランド
    6. エンベッディング

*この記事は「Network Effects Total Guide」を著者の了承を得た上で翻訳したものです。

著者・翻訳者: 渡辺圭祐

ネットワーク効果とは?

ネットワーク効果とは、「あるプロダクトやサービスが、より多くの人に使われることによって、さらなる価値を獲得する現象」のことです。

Michael Mauboussin氏 (@mjmauboussin) によると、「ネットワーク効果とは、ある財を使う人の数が増えることによって、その財の価値が上昇するときに存在する。すべてのものが同じであれば、小さなネットワークよりも大きなネットワークに接続されている方が良い。新しい顧客が増えれば、すべての参加者にとってネットワークの価値が高まるのは当然である。つまり、早く大きくなることは、より大きな価値を生み出すだけでなく、競合するネットワークが定着しないことを保証する意味でも重要なのだ。」

これはネットワーク効果をうまく説明していますね。メッセージングアプリなど、自分の友人や家族の人数が多いネットワークや場所に参加したいと思うのは、その人たちとメッセージを交わす機会が増え、便利だからだと考えると、容易に想像がつくのではないでしょうか。

ネットワーク効果には、さまざまな種類があります。NFXは、ネットワーク効果を強い順に13種類に分類しています。

• 物理的 (例: 固定電話)
• プロトコル (例: イーサネット)
• パーソナル・ユーティリティ (例: iMessage、WhatsApp)
• パーソナル (例: フェイスブック)
• マーケットネットワーク (例: HoneyBook、AngelList)
• マーケットプレイス (例: eBay、Craigslist)
• プラットフォーム (例: ウィンドウズ、iOS、Android)
• 漸近的マーケットプレイス (例: Uber、Lyft)
• データ (例: Waze、Yelp!)
• 技術的パフォーマンス (例: Bittorrent、Skype)
• 言語 (例: Google、Xerox)
• 信念 (例: 通貨、宗教)
• バンドワゴン (例: Slack、Apple)

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なぜネットワーク効果なのか?

ネットワーク効果は、1994年以降のすべてのハイテク企業の価値の70%を説明することができ、それはデジタル世界における防御力と価値創造の最高の形です (他の3つはブランド、エンベッディング、規模の経済です)。今日、ブランド、供給側の規模の経済、知的財産、規制など、競合他社に対して堀 (Moat)を形成できる要因が脅威に直面し、ネットワーク効果の重要性が増しています。以下は2004年と2021年の時価総額上位12社ですが、2004年には1社しかなかったネットワーク効果を持つ企業が、2021年には8社もあることがわかります。

ネットワーク効果から得られる価値は指数関数的に増加しています。下の図は、一人のユーザーがどのようにネットワークに付加価値を与えているかを説明したものです。この図では、価値がリンクの二乗として増加するのに対して、コストはリンクに伴って直線的に増加することがわかります。

* この図はメトカーフの法則に基づくもので、場合によっては根本的な欠陥があると言われています。説明の一例としてご覧ください。

ネットワークの法則

ネットワーク効果を説明する法則として最も有名なのはメトカーフの法則ですが、他にもネットワーク効果に関する法則はいくつかあります。

サルノフの法則

サルノフの法則とは、ネットワークの価値はネットワークの規模に正比例して増大するというものです。Nに比例し、Nはネットワーク上のユーザーの総数です。これは、少数のコアノードが多数の周辺ノード (ラジオやテレビの視聴者) に向けて送信する放送ネットワークを正確に記述していますが、この定義は、いくつかの種類のネットワークに対して過小評価であることが判明しました。

メトカーフの法則

メトカーフの法則は、ネットワーク効果における最も有名な法則の1つです。基本的な考え方は、「通信ネットワークの価値は、ネットワーク上のユーザー数の2乗に比例して大きくなる (N²、ここでNはネットワーク上のユーザーの総数)」というものです。

ネットワーク上のノード間のリンク数は、数学的にはN² (Nはノードの数) の割合で増加するため、メトカーフの法則が成立します。当初はイーサネット、ファックス、電話網などの通信網を表すために作られましたが、現在ではインターネットの出現により、ソーシャルネットワークや市場も含まれるようになりました。

メトカーフの法則の根本的な欠陥は、ネットワーク効果の威力がネットワーク参加者の数に影響されるだけでなく、すべてのつながりやすべてのグループに等しい価値を割り当ててしまうことにあると言われています。参加者間の親和性は重要であり、参加者間の商取引の価値も重要です。

リードの法則

リードの法則は、グループ形成型のネットワークでは、ネットワーク上のノードの総数をNとすると、2^Nの割合で値が増加します。

単純なグループコミュニケーションをサポートするネットワーク内部では、潜在的なグループの数が1よりかなり多いため、リードは、ネットワーク内のリンクの総数 (ネットワーク密度)は、ノードの総数(N²)の関数だけではないとして、N²ではなく2^Nという数式を提案しました。実際には、ノードの総数に潜在的なサブグループまたはクラスタの総数を加えた関数であり、ネットワークが成長するにつれてかなり速く増加します。

ほとんどのインターネット・ネットワークはクラスタ形成が可能なため、ほぼ間違いなくリードの法則に従い、メトカーフの法則やサーノフの法則の予測よりもかなり速いペースで価値が拡大していくでしょう。

ネットワークの特性

ノードとリンク

簡単に言うと、ネットワークはノードとリンクで構成されています。ノードとは、ネットワークの参加者一人ひとりのことです。買い手、売り手、消費者、デバイス、そしてあらゆる個人のユーザーである可能性があります。同じネットワーク内でも、様々なタイプのノードが非常に多様な機能を担っている場合があります。ノードの価値は、それがリンクされているノードの強さと価値に影響されるという点は注目に値します。中心的なノードは、リンクが少なく価値のない周辺的なノードよりも、多くのリンクを持ち、より多くの価値があります。また、少数の強力なノードとのリンクを持つ周辺ノードは、より高い価値を持ちます。ノードの強さ、近さ、活動には違いがあるため、すべての関係が等しく作られるわけではありません。

リンクとは、ネットワークにおけるノードまたはノードのグループ間の接続を指します。ノード間のリンクはすべて同じに作成されるわけではありません。リンクの方向性は異なる場合があります。リンクの強さは、2つのノード間の耐久性、近接性、および活発さによって決定されます。

ネットワーク密度

ノードに対するリンクの比率は、ネットワークの密度を決定します。比率が大きければ、ネットワークはより密になります。一般的に、ネットワークの密度が高ければ、ネットワーク効果もより強力になります。リンクの相互接続性は、他のノード間のリンクを強化・増強します。

ネットワーク内では、通常、密度は不均一に広がっています。ネットワークの特定のセクションは、他のセクションよりも著しく高い密度を持つかもしれません。そこで、ネットワークの中で最も密度が高く、アクティビティの高い部分である「ホワイト・ホット・センター」を探し、それを実現するためのプロダクトや機能を作ることに集中する必要があります。なぜなら、他のノードはホワイト・ホット・センターの活動に引き寄せられ、そこから外に向かってより速く放射状に広がっていくからです。

方向性

ノード間のリンクは、有向または無向のいずれかになります。方向性は、ネットワークのノード間のリンクの性質に応じて決定されます。有向リンクは、一方のノードが他方のノードを一方的に指し示すことを意味します。

有向リンクの例として、ツイッターがあります。芸能人や政治家など有名な人は膨大なフォロワーを持っていますが、通常はお互いに影響し合っていません。情報の流れは、大きな中心ノードから小さな周辺ノードへの一方通行です。

一方、フェイスブックやWhatsAppのように、リンクが必ず相互作用するものは、無向リンクの例と言えます。プラットフォーム上で誰かと会話をすると、情報とインタラクションの流れは双方向になります。

このように、ネットワーク内のノード間のインタラクションがどちらに流れるかによって、ネットワーク内のノード間のリンクの方向が決まります。お金、情報、コミュニケーション、その他、ノード間のインタラクションとして流れる可能性のあるものはすべて、そのインタラクションの一部となり得ます。

1対1と1対多

ネットワーク上のノード間の関係は、1対1の場合もあれば、1対多の場合もあります。1対多の関係は、一方向のインタラクションの流れを持つ有向リンクであるという事実によって区別されます。これに対して、1対1のリンクは、一般に機能的にインタラクションするものです。その結果、無指向性で双方向性があります。

クラスタリング

2つのクラスタが1つのリンクでつながっていて、2つのクラスタをつなぐリンクが他にない場合、その接続リンクはブリッジと呼ばれます。現実には、ノードが均等に分散していることはほとんどありません。ノードはネットワーク全体よりもクラスタ化したり、より緊密なローカルグループを形成する傾向があります。

フェイスブックメッセンジャーのようなパーソナル・ユーティリティ・ネットワークでは、クラスタリングを見ることができます。人々は、より広いネットワークよりもアクティブなサブグループを形成しています。

クラスタリング度が高いネットワークは、ネットワークが成長するにつれてその価値が指数関数的に増加するため、非常に強力なネットワーク効果を持つことができます。

クリティカルマス

「ネットワークのクリティカルマスとは、ネットワークが生み出す価値が、プロダクトそのものや競合プロダクトの価値を上回る時点を指す」。それがいつ起こるかは、ネットワークの種類によって決まります。また、プラットフォームが自己成長するために必要なメンバー数やネットワーク規模とも表現され、基本的には、ネットワークの拡大よりも得られる価値が早く上昇するため、自己成長します。

例えば、物理的な直接ネットワークである電話は、初期段階でクリティカルマスを獲得することができます。なぜなら、2人が電話を使うということは、それだけで単体のプロダクト本来の価値を超える十分な価値を持つことになるからです。

ネットワーク効果によって与えられた防御力を十分に活用するためには、ネットワーク効果を持つほとんどのビジネスが最終的にクリティカルマスを達成しなければなりません。ネットワークがクリティカルマスに達する前のプロダクトは、非常に影響を受けやすく、ユーザーにとって何の役にも立たない可能性があります。このようなプロダクトでは、ネットワーク効果の恩恵が効いてくる前であっても、アーリーアダプターにプロダクトを使用してもらうために十分な初期価値を作り出すことが頻繁に問題となります。

クリティカルマスに到達する方法については、以下の「ネットワークを自己成長させる方法」を参照してください。

不規則性

ネットワークには通常、不規則性があります。ネットワークには、クラスター、ホットスポット、デッドスポットなどが存在します。実例を想像していただくとわかりやすいと思います。企業の規模 (10人規模の企業と1,000人規模の企業)、場所、現実の人間関係によって、ネットワークのあり方は異なります。

非対称性

この用語は主にマーケットプレイスに関連するもので、非対称性には2つのタイプがあります。

最初の非対称性は、一方の側と他方の側 (複数)のノードを獲得する難易度が異なるというものです。

マーケットプレイスの需要側、つまり買い手は、状況によっては難しいかもしれません。このような状況では、お金を払うことに熱心な顧客(買い手)を集めることができれば、提供者(売り手)は通常、少しの努力で速く現れます。これを 「需要制約型マーケットプレイス 」と呼びます。

ある状況下では、供給側の方が難しい側面があり、供給側が安定すれば、需要側の顧客が自然に市場に集まってきます。これを 「供給制約型マーケットプレイス」と呼びます。例えば、UberやLyftの有料会員獲得費用の大半はドライバー獲得に費やされており、これは供給サイドです。同様に、OpenTableは、開始から7年後に需要(レストランを予約したい人)を引きつけるだけの供給量を構築するまで、供給側のレストランを一つずつ徐々に獲得していく必要がありました。

マーケットプレイスにおけるもう一つの非対称性は、サイド内、あるいはノードの種類内における非対称性についてです。別の言い方をすれば、すべての需要と供給が同じに作られているわけではありません。一般的に、ある種のノードは他のノードよりも有用であり、1000倍の価値を持つノードも存在します。

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漸近的ネットワーク効果

ネットワーク効果の定義は、「ネットワーク効果とは、プロダクトやビジネスにおいて、新しいユーザーが増えるごとに、他のすべてのユーザーにとってそのプロダクト/サービス/体験の価値が高まる仕組み 」です。しかし、ネットワーク効果は、ネットワークの発達のある段階を超えると、価値が上昇しなくなることがあります。ある規模を超えると、漸近的なネットワークの成長は、現在のユーザーに価値を追加しなくなります。

例としてUberが挙げられます。なぜなら、Uberの消費者は4分程度の待ち時間を過ぎると、ドライバーの数が増えてもあまり得をしなくなるからです。需要側の価値の上昇がゼロに近づくと、供給増加の価値は「漸近」します。

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同一面ネットワーク効果

多面的なネットワークの同じ側で発生する直接的なネットワーク効果は、同一面ネットワーク効果(2面またはN面ネットワーク)と呼ばれます。

Uberは、ライダーが増えれば増えるほど、混雑や料金の上昇によりライダーが待つ時間が増えるため、負の同一面ネットワーク効果を持ちます。

一方、ウィンドウズは正の同一面ネットワーク効果を持っています。なぜなら、ウィンドウズユーザーは、ファイルの互換性により、ウィンドウズユーザーが増えることで利益を得ることができるからです。2人のウィンドウズユーザーは簡単にファイルを交換することができ、同じプラットフォームを使う人が増えれば増えるほど、ファイルを共有できる個人の数は増えます。

間接的ネットワーク効果

間接的ネットワーク効果とは、ある種類のノードが他の側のノードに直接利益を与え、同じ側の他のノードには直接利益を与えない結果、ネットワークの価値が上昇することです。同じ側のノードは、ネットワークの反対側にいる補完的なユーザーがネットワークを使用する動機を高めるため、間接的に互いを利することになり、同じ側のすべてのノードに利益をもたらします。

例えば、eBayのような二面性のある市場では、新しい売り手が加わっても、他の売り手に対してすぐに有利になることはありません。実際、eBayの出品者が新たに加わったところで、他のすべてのeBay出品者の競争が激化するだけです。しかし、商品の在庫が増えることで、マーケットプレイス全体が消費者にとってより魅力的になるため、出品者が増えることで、見込み客が全体的に増える結果、間接的に他の出品者を助けることになるのです。新しいベンダーが増えるごとに、ネットワークの価値も間接的に高まっていくのです。

間接的なネットワーク効果が働いているもう一つの顕著な例は、ウィンドウズのようなオペレーティング・システムです。ウィンドウズの新規開発者は、他の開発者を何ら助けることはありません。しかし、ウィンドウズアプリのライブラリが増えれば、ウィンドウズユーザーの数も増えます。さらに、ウィンドウズのユーザー数の増加は、自社ソフトウェアの購入希望者数を拡大するため、すべての開発者にとって有益となります。

クロスサイドネットワーク効果

クロスサイドネットワーク効果とは、間接的なネットワーク効果とは異なり、複数のサイドを持つネットワークにおいて、もう一方のサイドのユーザーが加わることにより、そのサイドのユーザーにとっての価値が直接的に増加することを指します。

例えば、Uberは、各ドライバーが参加することで、ライダーがより速く、より安く車に乗る機会が増えるため、クロスサイドネットワーク効果が正となります。

負のネットワーク効果

ネットワークの規模やユーザー数が増加すると、ネットワークの価値が低下する場合があります。ネットワークの負の効果には2種類あります。それは、ネットワークの輻輳とネットワーク汚染です。

ネットワークの輻輳は、道路の交通量に見ることができます。ラッシュアワーになると、車の数が増え、道路のネットワークは混雑します。通信ネットワークでも、同じような状況が見られることがあります。

ツイッターやフェイスブックなどのソーシャルメディアでは、ネットワーク汚染が観察されます。コンテンツが増えれば、通常、ユーザーの利益になり、ネットワークの価値も上がりますが、同時に、詐欺や不正、不適切なコンテンツも出てきます。それを理解し、正のネットワーク効果を維持し、成功するためのプロダクト機能を作る必要があります。

隠れたネットワーク効果

企業によっては、ネットワーク効果があっても、それが見え隠れしていることがあります。ネットワーク効果に見えないネットワーク効果を持つ企業はダイヤモンドの原石です。そのネットワークは評価が難しいため、短期的には過小評価されがちですが、長期的には不釣り合いなほど強力です。

ネットワーク効果に見えないネットワーク効果は、企業が長期的な成功を収めるのに役立つ明確な利点を提供するかもしれません。明確な利点がある一方で、起業家が克服すべき独特のハードルも存在します。

遅いネットワーク
遅いネットワークとは、ネットワークを立ち上げてから、その価値を発揮するまでに比較的時間がかかるネットワークのことです。

プロダクトの消費サイクルが長い場合や、使用頻度が少ないという状態は、遅いネットワークによく見られ、ネットワーク効果の出現を遅くします。遅いネットワークは、速いネットワークとは対照的に、利益がすぐに明らかにならないため、過小評価されることがあります。たとえ企業が迅速に発展していても、遅いネットワークのネットワーク効果が現れるには何年もかかるかもしれません。

例えば、ラムダスクールのネットワーク効果は、原理的には理解しやすいものです。1) より多くの (より優秀な)学生を獲得することで、ラムダの卒業生を採用したいと考える企業をより多く見つけることができ、(2) 最近の卒業生を頼り、学び、雇用されるために、ラムダ同窓生のより深いネットワークを確立することができます。しかし、そのネットワークの真価が発揮されるには、何年もかかります。

未完成のネットワーク
未完成のネットワークとは、プロダクトの特徴や戦略的な判断により、一時的に何らかの形で不完全な状態になることです。しかし、ひとたびネットワークが完成すれば、ネットワーク効果はすぐに明らかになります。

OpenTableは数年前、未完成のネットワークでした。当初、OpenTableはネットワーク効果よりもSaaS (Software as a Service)企業であるかのように思われていました。レストランはOpenTableに月々200ドルを支払ってオンライン予約を受け付けるようにし、OpenTableウィジェットをウェブサイトに埋め込んでいました。

OpenTableの人気が高まるにつれ、レストラン利用者が新しいレストランを見つけるのに最も便利な方法になる可能性を見出しました。そして、レストランを探すためのウェブサイトやアプリケーションなど、消費者向けのプロダクトへの投資は、レストランが十分に増えてから行うようにし、ネットワークを完成させました。利用者が増える=レストランが増える=ネットワーク効果が高まるという流れになっています。

スロットル型ネットワーク
スロットルネットワークとは、プロダクトの特徴や戦略的決定によってネットワークの規模や参加が実質的に制限され、ネットワーク効果の強さが偽装されているものです。

フェイスブックの初期は、ある意味においてはスロットル型ネットワークでした。参加するには、ハーバードのメールアドレスを持っている必要がありました。そして、徐々に.eduのメールアドレスを持つ他の人に拡大され、その後、一般の人々全体に拡大されました。フェイスブックはユーザーのサイトへの関与を制限しなかったため、ネットワーク効果がより可視化されましたが、意図的にネットワークの幅を制限していました。

潜在的ネットワーク (別名「ツールのために来て、ネットワークのために留まる」ネットワーク)
また、ツールやプロダクトから始めて、ネットワークに至る企業もたくさんあります。「ツールのために来て、ネットワークのために留まる」企業の典型的な例は、Delicious (ブックマーク)やインスタグラム(フィルター)です。しかし、プロダクトや技術を開発する前に、ネットワークの確立から始める企業もあります。

このアイデアは、ネットワークとして機能するコミュニティを開発することから始め、個人がつながり、参加し、互いに価値を提供し合うというものです。そして、最終的には、そのネットワークへの参加を促進するプロダクトが登場します。プロダクトが登場する前には、ネットワークを評価したり、収益化したりするものがないため、プロダクトが登場する前にネットワークの強さや可能性を見極めることは不可能かもしれません。

このような潜在的なネットワークは、「隠れたネットワーク効果 」の中でも最も予測や実行が難しいものです。これらのコミュニティは、潜在的なネットワークというよりもむしろオーディエンスであることが多く、消費者がネットワークよりも中心的なノードに価値を見出すことを暗示しています。ツールやプロダクトがオーディエンスに過ぎない場合、ビジネスは (例: DTCプロダクト) ネットワークのように指数関数的に成長するのではなく、直線的にスケールします。プロダクトのないネットワークとオーディエンスを見分けるのは難しいものです。多くの著名な起業家が、互いに交流したい人たちのネットワークを構築したと勘違いしていますが、実際に構築したのは、有名なアイドルの作品を求めている視聴者であることがわかりました。

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ネットワーク効果の種類

直接的

あるプロダクトの利用率が高まると、そのプロダクトの消費者にとっての価値が直接的に上昇します。最も強く、最も単純なネットワーク効果です。

上図に見られるように、デジタルネットワークの各ノードは、他のすべてのノードと接続されています。直接ネットワークに新しいノードが入るたびに、既存のすべてのノードに新しいリンクが追加されます。したがって、新しいリンクの数 (ネットワーク密度) は、ノードの数が二乗 (N²) になるにつれて増加します。ネットワークの価値は密度に比例するため、ノードが増えるごとにネットワークの価値は幾何級数的に増加します。

直接的なネットワーク効果には5つのタイプがあります。

物理的
物理ノード (電話やケーブルボックスなど) や物理リンクに関連する直接ネットワーク効果は、物理的直接ネットワーク効果 (例: 地中の電線) と呼ばれます。これは直接的なネットワーク効果と、スケール効果やエンベッディングなどの追加的な防御力を併せ持つため、最も防御力が高いネットワーク効果のタイプです。物理的ネットワーク効果を持つ企業と競争するには、物理的な制約だけでなく、多額の初期資本投資が必要です。

物理的な直接的ネットワーク効果を持つビジネスには、道路、鉄道、エネルギー、下水道、天然ガス、ケーブル、ブロードバンドインターネットなどがあります。現実には、物理的ネットワークの大半は公益事業であり、独占し、最終的には国有化される勝者総取りのマーケットです。

その多くが、マーケットをリードしながらも、貧弱あるいは不十分なサービスを提供しているという事実が、物理的ネットワークの強い防御力を示す最も強い証拠です。

プロトコル
通信や計算の標準が宣言されると、すべてのノードとノード作成者はそのプロトコルを使ってネットワークに接続できるようになります。ビットコインやイーサリアムのようなプロトコルネットワークは、比較的新しいものです。単一の企業、企業集団、またはパネルがプロトコル設定者になることができます。

プロトコルネットワーク効果の例として、イーサネットがあります。Robert Metcalfeは、3Comを設立する際に、DEC、Intel、Xeroxを説得し、標準速度10メガビット/秒、48ビットアドレス、グローバル16ビットイーサタイプフィールドを持つ、ローカルコンピュータネットワーク用の標準プロトコルとしてイーサネットを採用させました。競合する独自プロトコルもありましたが、イーサネットの普及とシェア拡大に伴い、イーサネットに対応したプロダクトがマーケットに溢れるようになりました。相対的な性能はともかく、これによってイーサネットの価値は複利的に高まり、ライバルの価値は低下していきました。イーサネット接続は、瞬く間に現在のすべてのコンピュータで一般的になりました。

このような採用方法の成功には、マーケティング、ソーシャルエンジニアリング、ニッチマーケットの選択が技術よりも重要であることが多いのです。ベータマックスが間違いなく優れたフォーマットであったにもかかわらず、VHSがベータマックスに勝利したのはそのためです。

パーソナル・ユーティリティ
パーソナル・ユーティリティ・ネットワークは、2つの特徴で判断されます。1つ目はフェイスブックメッセンジャーのように、ユーザーの個人的なアイデンティティが当該ネットワークにリンクしていて、ユーザーネームが実名であるのが一般的であるということです。2つ目は、ユーザーの個人生活や職業生活で日常的に必要とされていることです。

人々は、パーソナル・ユーティリティ・ネットワークを活用して、ネットワークとつながり、交流しています。そのため、使用しないことは日常生活において大きな障害となり、人々の個人的・職業的なつながりにかなりの悪影響を及ぼす可能性があります。

パーソナル
人のアイデンティティや評判がプロダクトと結びついている場合、パーソナル・ネットワーク効果が発揮されます。パーソナル・ネットワークの人々は、現実の知り合いに説得されて参加することが多いです。現実の知り合いが皆、自分のアイデンティティや評判を守るために同じプロダクトを使っているのであれば、そのネットワークに参加することには (あなたにとって) 大きな価値があります。

パーソナル・ネットワークは、個人のアイデンティティと評判を取り入れ、各ユーザーのペルソナを他のユーザーのペルソナに結びつけます。追加された各ノードは、新しい潜在的なオーディエンスであると同時に、ネットワークの残りの部分に対する新しいコンテンツプロバイダを意味します。

2つの側面において、パーソナル・ネットワークはパーソナル・ユーティリティ・ネットワークと異なります。パーソナル・ユーティリティ・ネットワークは、一般的に完了しなければならないタスクのために利用されます。ユーザーは、かなりの実用的な価値を見出すことができます。第二に、パーソナル・ユーティリティ・ネットワークは公共のコミュニケーションに使われるというよりも、主にプライベートなコミュニケーションに使われます。パーソナル・ネットワークは、かつてほど重要ではありません。使うのをやめても、生活はあまり変わりません。仕事を探していないときは、フェイスブック、ツイッター、リンクトインなどのソーシャルメディアは通常必要ありません。

マーケット・ネットワーク
マーケット・ネットワークは、パーソナル・ネットワークのアイデンティティおよびコミュニケーション機能と、マーケットプレイスに関連する取引という点を強調し、目的を組み合わせたものです。マーケット・ネットワークは、通常、既存のオフラインの専門家ネットワークを改善することから始まります。ノード間のリンクは直接的であるため、マーケット・ネットワークは直接的なネットワーク効果の一種とみなされます。

2面的ネットワーク効果

学術文献では、2つ目の大きなタイプのネットワーク効果である2面的ネットワーク効果を 「間接ネットワーク効果」 と呼んでいます。しかし、2面的ネットワークは直接ネットワーク効果と間接ネットワーク効果の両方を持ちうるため、これは誤解を招きやすいと言えます。2面的ネットワークの基本的な特徴は、供給側のユーザーと需要側のユーザーという2つの異なるユーザー層が存在することです。彼らはそれぞれ異なる理由でネットワークに参加しますが、いずれも相手側に付加価値を与えます。

マーケットプレイス
買い手と売り手は、マーケットプレイスの両側面です。Craigslistのような両面成功型のマーケットプレイスは、破壊するのが難しいことで知られています。両者を切り離すには、両者にとってより良い価値提案を同時に提供しなければ、誰も動きません。顧客は商人から買うために来ており、商人は顧客から買うために来ています。一方は、もう一方がいなければ離れることができません。

2面的マーケットプレイスでは、アプリやウェブサイトそのものではなく、ネットワークが価値の大部分を提供します。そのため、eBayやCraigslistのようなマーケットプレイスは、10年以上も事実上同じように見えるのです。

マルチテナントの発生は、マーケットプレイスの防御力における一つの重大な欠点を露呈しています。人々はeBayとEtsyの両方で同時に商品を販売することができます。家主はCraigslistとTrulia両方に同時に自分のアパートを載せることができ、入居者は両方のサイトで空いているアパートを検索することができます。

マーケットプレイスで成功するには、会員がマルチテナントに魅力を感じないほど、特に供給側で多くの価値を提供する、または「ロックイン」状態にするプロダクト/サービスを構築することです。

プラットフォーム
2面的プラットフォームは、供給側のノード (開発者) と需要側のノード (ユーザー) が、プラットフォームの中間者 (中央ノード) を通じて価値を交換します。プラットフォームそのものも両者にとって有益です。

2面的プラットフォームのネットワーク効果は、2面的マーケットプレイスのネットワーク効果に似ており、対立する目的を持つ2つのサイドを含み、一方の方向に利益をもたらします。一方、供給側は、プラットフォームで独占的に利用できるプロダクトを作成します。供給側は、プラットフォームと統合するために、ある程度の努力をしなければなりません。供給側が作り、販売するプロダクトは、プラットフォームの機能であり、プラットフォームから切り離すことはできません。

プラットフォームとマーケットプレイス・ネットワーク効果の違いは、オンラインマーケットプレイスに比べて、プラットフォーム自体の機能や利点が、ネットワークに対するプラットフォームのユーティリティに大きな役割を果たし得るということです。

プラットフォームもマーケットプレイスと同様、プラットフォームの両側がマルチテナントである可能性があるという脆弱性があります。

漸近的マーケットプレイス
漸近的マーケットプレイスは、そのネットワーク効果がネットワークの発達のある段階を超えると、価値が上昇しなくなることがあります。ある規模を超えると、漸近的なネットワークの成長は、現在のユーザーに価値を追加しなくなります。

ネットワーク効果から得られる価値について調べてみましょう。下のグラフは、さまざまなタイプのマーケットプレイスの価値曲線を示しています。
赤が漸近的なマーケットプレイスです。はじめのうちは、ノードの数が増えればすぐに価値が上がりますが、ある時点で、一定以上の価値を得ることができなくなります。

例として、Uberが挙げられます。なぜなら、Uberの消費者は、4分程度の待ち時間を過ぎると、ドライバーの数が増えてもあまり得をしないからです。需要側の価値の上昇がゼロに近づくと、供給増加の価値は 「漸近 」します。

漸近的マーケットプレイスは、他のタイプのマーケットプレイスよりも競争の影響を受けやすいという特徴があります。マルチテナントの場合、漸近的マーケットプレイスはさらに脆弱になる可能性があります。多くのライダーは、移動のためにLyftとUberの両方を利用し、その時々にどちらが最良の価格と最短の待ち時間を提供しているかによって使い分けています。

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• The Intentional Network Effects of Uber by James Currier (@JamesCurrier)

データ

データネットワーク効果とは、より多くのデータを収集すればするほど、そのプロダクトの価値が上昇するというものです。データネットワークの各ノードは、重要なデータを中央のデータベースに供給します。集約されたデータの価値が高まれば、各ユーザーのデータの価値も高まります。

プロダクトにより多くの利用とより有意義なデータの生成の間に関係がない場合、ネットワーク効果はなく、スケールインパクトがあるだけです。

Wazeは、重大なデータネットワーク効果を持つサービスの優れた例です。Wazeを利用するほぼすべての人が有用なデータを提供しているだけでなく、データはリアルタイムで使用されるため、データセットは定期的に更新されなければなりません。その結果、ネットワークが広ければ広いほど、個々の道路に関するデータはいつでもより正確になります。Wazeは、より多くのデータがほぼ無限に価値を生み出すため、事実上すべてのサービスよりも漸近的なデータネットワーク効果が低くなっています。

技術パフォーマンス

技術パフォーマンスネットワーク効果とは、プロダクトの技術的パフォーマンスがユーザー数の増加に伴って直接的に向上することです。技術的パフォーマンスネットワーク効果を持つネットワーク上のデバイスやユーザーが多ければ多いほど、基礎となる技術の動作が改善・向上されます。その結果、プロダクト/サービスはより速く、より安価に、またはより簡単に使用できるようになります。

技術パフォーマンスネットワーク効果は、技術的な優位性とは異なります。技術的優位性は、競合他社に追いつかれる可能性があるため、長期的な防御力を持ちません。

「社会的 」ネットワーク効果

社会的ネットワーク効果とは、人と人との心理やインタラクションについて述べたものです。人と人の間には、目に見えないネットワークがつながっています。そして、私たちの肉体がノードで、身振り手振りや言葉がリンクになっています。

人々にプロダクトを使う理由を与え、使い続けるという選択を強化することによって、使う人が増えれば増えるほど、その人にとって価値あるプロダクトを作ることができます。

ソーシャルネットワーク効果は構築するのも、防御力を強化するのも最も難しいですが、構築できればプロダクトにとって大きなアドバンテージになります。

言語
言語は、人間のネットワークが互いにインターフェースするためのプロトコルです。歴史上、言語は「勝ち組・負け組」の傾向を示してきました。専門用語は、より多くの人々に受け入れられることで、すべてのユーザーにとってますます価値が高まります。

もしあなたがスタートアップの創業者であれば、2つの方法で言語ネットワーク効果を活用することができます。

1つ目は、ビジネスカテゴリーを作り、そのカテゴリーで1番と呼ばれる存在になる方法です。確かなネットワーク効果を得ることができます。例としてビットコインが挙げられます。ビットコインは暗号の中でNo.1として知られており、最も恩恵を受けています。暗号通貨はたくさんありますが、ビットコインは全体の時価総額の40%近くを占めています。

2つ目の方法は、企業やプロダクトの名前を挙げることです。「ウーバーを呼ぶ」と聞けば、個人タクシーで目的地に行くことを意味します。「ググる」もその好例です。

信念
金、ビットコイン、宗教などに信念ネットワーク効果を見出すことができます。人々が何かを信じると、他の人々もそれを信じたくなります。その結果、人々が信じていることを信じないことには大きな社会的影響があり、人々が信じていることを信じるのをやめることにはもっと大きな影響があるかもしれません。

つまり、人々が信念を信じれば信じるほど、信念を信じる人にとっては価値が高まるということです。

バンドワゴン
バンドワゴンは、人々が仲間外れにされたくないために、あるネットワークに参加せざるを得ないと感じるときに起こります。

たとえば、1998年に人々がGoogleを使い始めたときは、クールな人々がGoogleを使っているという一般的な感覚がありました。Googleを使わなかった人たちは、コミュニティに取り残されたのです。

アップルもバンドワゴンネットワーク効果の好例です。毎年、洗練されたパフォーマンスで新プロダクトのデモとローンチに話題性とFOMOを製造しています。

コンテンツ・ネットワーク効果

コンテンツ・ネットワーク効果とは、ビデオやブログなどのコンテンツをホストするコンテンツ・プラットフォームによって生み出されるものです。これは、ソーシャルネットワーク内の既存ユーザーに依存するコネクションモデル(ユーザー同士を繋げるモデル)とは異なり、新規ユーザーに対してより大きな価値を提供するところまで迅速に到達することを可能にします。

コンテンツ・プラットフォームで作成されたコンテンツは、競争の原点です。YouTubeの動画、インスタグラムの写真、PinterestのPinboardなどが、ユーザーにとっての価値の主要な源泉となります。

コンテンツ・ネットワーク効果は、鶏と卵の問題の解決策の一つと言われています。フェイスブックやツイッターのようなプロダクトは、当初はネットワークで人々を繋ぐことに重点を置いていました。しかし、BehanceやPinterestは、先にユーザーにコンテンツを作らせ、そのコンテンツを他のユーザーが楽しむことで、ユーザーがそのプロダクトを使い続けるようになりました。

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ネットワークを自己成長させる方法

ネットワークの自己成長・鶏と卵の問題を解決するには、主に2つの方法があります。

1つ目は、シングルモードのユーティリティツールを作り、後からネットワークを構築する方法です (「ツールのために来て、ネットワークのために留まる」(Come for the tool, stay for the network))。

基本的な考え方は、まずシングルプレーヤーのツールでユーザーを惹きつけ、その後、ネットワークに参加させるというものです。ツールは、クリティカルマスに到達するのに役立ちます。

その好例がインスタグラムです。彼らは革新的な写真フィルターを提供するアプリを開始しました。Hipstamaticという似たようなアプリにもフィルターがありましたが、それは無料ではありませんでした。インスタグラムは、ユーザーがフェイスブックやツイッターなどのネットワークで写真を簡単に共有できるようにしました。その後、インスタグラムは独自のネットワークを開始し、ユーザーがその上で写真を共有できるようにし、時間をかけて巨大なネットワークを構築しました。

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従来、ソーシャルネットワークは、最初からネットワークで人と人をつなごうとしていました。フェイスブックなら10日間で7人の友達を作る、ツイッターなら30人をフォローする、といったマジックナンバーをご存じでしょう。しかし、最近のアプリには、まずユーザーにコンテンツを作らせ、たくさんのコンテンツによって、コンテンツネットワーク効果を発揮させるという方法が見受けられます。そのため、コンテンツ・プラットフォーム企業は、コンテンツを作成し公開するための優れたユーティリティ・ツールを提供しています。例として、BehanceやPinterestなどがあります。

2つ目の解決策は、トークンによるインセンティブを利用することです。Web3の発展により、金銭的なインセンティブを持つトークンを発行できるようになりました。その基本的な考え方は、「ネットワーク効果が効いていない成長段階の初期に、トークン報酬を通じてユーザーに金銭的なユーティリティを提供し、ネイティブなユーティリティの欠如を補う 」というものです。Web3モデルは、コミュニティの構築に貢献した人々がその一部を所有できるため、中央集権的なWeb2モデルよりも公平であると言われています。

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ネットワーク効果を測定する方法

プロダクトの種類によって、ネットワーク効果があるかどうかを確認するための指標はたくさんあります。全体として、5種類に分類されます。

最初のグループのメトリクスは、ユーザーの獲得に関連するものです。

1. オーガニックユーザーと有料ユーザーの比較: 新規ユーザーのうち、何パーセントがオーガニックユーザーか?

もしあなたのプロダクトがネットワーク効果を持つなら、有料ユーザーに対するオーガニックユーザーの割合は、時間とともに増えていくはずです。なぜなら、成長したネットワークは人を惹きつける価値を持っているので、自ら参加したいと思うユーザーが増えるからです。

2. トラフィックのソース: ネットワークが成長するにつれ、ネットワーク上のトラフィックやトランザクションは、ネットワーク自体から発生する内部生成と、外部ソースから発生する外部生成のどちらが多くなっているか?

トラフィックのソースは、ネットワーク上のトラフィックやトランザクションから直接発生したものと、外部から発生したものとを分けて測定することができます。もし、より多くのトラフィックが直接であるとわかれば、それは、ユーザーがネットワークの成長とともに、より価値を見出すようになったことを意味します。

例えば、Mediumが成長するにつれ、より多くの人が外部リンクではなく、Medium上でコンテンツを見つけるようになります。これは、「ツールのために来て、ネットワークのために留まる」典型的な例と言えるでしょう。

3. 有料CACの時系列: 供給側を獲得するためにいくら必要か?

ビジネスにおける有償CAC (顧客獲得コスト) は、ネットワーク効果の「フライホイール」が加速するにつれて、時間の経過とともに減少するはずです。しかし、これは理論上のことであり、実際には様々な要因に影響されます。

2つ目のメトリクスは、競合他社に関連するものです。

4. マルチテナントの普及率: ユーザーのうち、何人が他の類似サービスも利用しているか?類似のサービスでアクティブになっているユーザーは何人いるか?

機能が同じでなくても、ユーザーが類似のサービスを利用していれば、関連するサービスも含めて理解する必要があります。自社のユーザーが競合他社のサービスも利用していることが分かれば、自社プロダクトを補強して、ユーザーが他へ流出することを防ぐことを検討するべきです。

5. スイッチングやマルチホーミングのコスト: ユーザーが新しい (あるいは存在しない) ネットワークに参加するのは、どれくらい簡単か?別のネットワークに参加する場合、ユーザーは新規ユーザーとしてどれだけの価値を得ることができるか?

あるネットワークのユーザーが、競合他社のネットワークにサインアップし、オンボーディング・プロセスを完了するのがどれだけ簡単かを理解することが重要です。競合のプロダクトが摩擦なく、新規ユーザーが初期に価値を得ることができれば (コールドスタート)、ユーザーがマルチテナント化し、乗り換えるのを促進させることになります。

3つ目のタイプの指標は、エンゲージメントに関連するものです。

6. ユーザーリテンションコーホート: 新しいコホートに対して、ユーザーリテンションは向上しているか?
ネットワーク効果とは、ユーザー数が増えるほど価値が上がるというものなので、新しく登録したユーザーは過去に登録したユーザーよりも高い価値を得ることができます。したがって、ネットワーク効果があるプロダクトであれば、新しいコホートほどリテンション率が向上していることになります。

7. コアアクションのリテンションコホート: プロダクトのコアアクションをしたユーザーコホートのリテンションは、新しいコホートで向上しているか?

コアアクションとは、プロダクトから価値を引き出すための行動であり、ネットワークの密度と効果が高まれば高まるほど、このコアアクションに基づくリテンションの向上が期待されます。

8. 売上継続率と有料ユーザーコホートのリテンション: 新しいコホートは、古いコホートに比べて、一定期間において、より良いリテンションを保っているか?

もし、あなたがサブスクリプションや有料のプロダクトを作っているならば、売上継続率と有料ユーザーリテンションに注目する必要があります。プロダクトにお金を払うということは、そのプロダクトの価値の度合いを示すことになるので、コホートの収益という観点からは、新しいコホートほど高いリテンションが得られるはずです。

9.場所・地域別のリテンション: 地域的なネットワーク効果を持つビジネスにおいて、新しいマーケットよりも古いマーケットのユーザーの方がリテンションが高いか?

最も古い、あるいは最も確立されたマーケットは、新しいマーケットよりもリテンションが高い傾向にあります。なぜなら、ローカルネットワーク効果プロダクトは、ネットワーク効果がマーケットごとに存在し、新しいマーケットには移管できないからです。したがって、地理的に成熟し、ネットワーク密度が高い古いマーケットの方がリテンションが高くなるはずです。

10. パワーユーザーカーブ (別名、L7 & L30チャート): ユーザーはパワーユーザーカーブの右側にシフトしているか?時間の経過とともに、ユーザーのエンゲージメントが高まっているか?

パワーユーザーカーブ (30日間使用の場合はL30チャート、7日間使用の場合はL7チャートとも呼ばれる) は、特定の時間枠の中でユーザーが特定のアクションを実行するためにアクティブだった日数の合計を示すユーザーエンゲージメントのヒストグラムです。ユーザーが特定の行動を実行する頻度をコホート単位で見ることで、ネットワーク効果企業を研究する際に、プロダクトがより多くのユーザーによってユーティリティを獲得しているかどうかを理解することができます。もし、プロダクトの価値がユーザー数の増加に伴って高まっているのであれば、時間の経過とともに、ユーザーの割合がより高頻度のエンゲージメントバケットに移行し、パワーユーザー曲線がより右肩上がりになるはずです。

4つ目のタイプのメトリクスは、マーケットプレイスに関連するものです。

11. マッチング率 (別名: 利用率、成功率など): マーケットプレイスの両者が、どれだけうまくお互いを見つけることができるか?

人は需要や供給を求めてマーケットにやってきます。そして、マーケットはこの2種類の人々をマッチングさせる必要があります。マッチング率とは、買い手が売り手を見つけることができるなど、人々の期待にどれだけ応えられるかを示すものです。

マーケットプレイスの運営者は、マッチングが起きない原因を探り、インセンティブの更新やプロダクトデザインの改善、他の仕組みによって、マッチング率を高める必要があります。

12.マーケットの厚み: 供給は十分か、ユーザーのニーズに合っているか?

「オファーデプス」または「マーケットデプス」という言葉は金融市場に由来し、価格が変動することなく比較的大きな注文に耐えることができるマーケットの能力を意味します。マーケットの深さは、各価格で出された買い注文と売り注文の数によって決定されます。

マーケットの深さは、ユーザーの体験に影響を与え、ユーザーがマッチングを見つけることができるかどうかを決定します。マーケットの厚みが増すほど、ユーザーは必要なサービスやプロダクトを見つける機会が増えますが、供給が多すぎると逆に目的のサービス等を発見するのが困難になり、負のネットワーク効果をもたらすため、この場合、マーケットは検索コストを削減する必要が出てきます。

13.マッチングに要する時間 (または在庫回転率、回転日数): 需要と供給がマッチングするまでにかかる時間はどのくらいか?

マッチングまでの時間が短ければ短いほど、売り手と買い手の双方にとってチャンスが増えます。そして、それはマーケットの価値を高めることになります。

例えば、労働市場で従業員が候補者を見つけるまでの時間や、OfferUpで売り手が商品を売るまでの時間を見ることができます。

14. 需要と供給の集中または分断: 供給側と需要側でマーケットプレイスがどの程度集中しているか?

供給側と需要側の双方で断片化が進んでいるマーケットプレイスは、より価値が高く、防御力が高いと言えます。つまり、需要側と供給側のいずれにおいても、一部の売り手/買い手が不当に大きな取引シェアを占めることがないため、ビジネスの持続可能性と多様性がより高くなるのです。マーケットプレイスにおける需要や供給が集中しすぎていると、重要な買い手や売り手が抜けた場合、取引の大部分が失われるかもしれません。

最後のメトリクスグループは、経済学に関連するものです。

15.価格決定力: 自社プロダクトはいくらで売ることができるか?ネットワークに留まるために、顧客はいくらなら支払ってもよいか?

ユーザーはネットワークからより多くの価値を得ることができれば、ネットワークへのアクセスにお金を払うことを躊躇しなくなります。支払いの種類としては、サブスクリプション、掲載料、またはその他のマネタイズ方法が考えられます。

16. ユニットエコノミクス: 基本的にビジネスはどうなっているか?

ネットワーク効果の向上は、時間の経過とともに単位経済性の改善に反映されることが多いです。これは、事業者がマーケットの様々なセグメントに提供しなければならないインセンティブの数が減少し、有料ユーザーのシェアが低下し、価格決定力が全体的に向上するためです。

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押さえておくべきポイント

たとえネットワーク効果があるプロダクトであっても、防御力を高めるために留意し、対処すべきことが山ほどあります。

マルチテナント

マルチテナントとは、自社と類似した複数のプラットフォームやサービスを同時に利用することです。これは競合ネットワークに参加するためのスイッチングコストが低いかゼロである場合に発生します。

マルチテナントの例としては、UberとLyftがあります。ライダーはUberとLyftを同時に利用し、価格と時間を比較して、どちらを利用するかを決定することができます。

また、インスタグラム、TikTokなどのソーシャルメディアでも起きています。ユーザーはすべてのプラットフォームで同じコンテンツを投稿しています。

マルチテナントは、ネットワークの防御力を低下させ、ネットワーク効果を減衰させますが、それは一定の範囲に限られます。なぜなら、大規模なネットワークは、新規ユーザー候補をより多く持ち、かつ、既存ユーザーを維持する可能性が高いからで、それらのユーザーがマルチテナントであったとしても、最終的には勝利することになります。

ディスインターミディエーション(仲介者の排除)

ディスインターミディエーションは、ユーザーが最初にマーケットプレイスやマーケットネットワークで取引を開始し、以降の取引をプロダクトから外して直接取引する場合に起こります。これはマーケットプレイスやマーケット・ネットワークでよく見られる現象で、ほとんどの取引ネットワークではリテンションが重要であり、マネタイズの源泉となるため、重要な脆弱性であると言えます。

スイッチング・コスト

「スイッチング・コストとは、消費者がブランド、サプライヤー、プロダクトなどを変更することによって発生するコストのことです。最も一般的なスイッチングコストは金銭的なものであるが、心理的コスト、努力ベースのコスト、時間ベースのスイッチングコストも存在する。」

スイッチングコストが高ければ、ユーザーはライフサイクルを通じて同じサービスやプラットフォームを使い続けるインセンティブがあるため、固定化する傾向があります。

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リテンション

リテンションとは、ユーザーがどれだけ頻繁にプロダクトを使用するために戻ってくるかということです。プロダクトチームにとって、リテンションは追跡すべき最も重要な指標です。なぜなら、リテンションが高ければ、何らかのネットワーク効果を見つけやすく、ユーザーがプロダクトやサービスに価値を見出していることを意味するからです。

弱いネットワーク効果は、リテンションが高くないネットワークに起因し、また、ネットワーク効果が弱い場合はリテンションが低くなります。ネットワーク効果は、ネットワークの大きさではなく、利用率の合計によって生じることを忘れないでください。そのため、ネットワークの規模を拡大するだけでは不十分であり、利用率を高めることも同様に重要です。

実名制 vs 偽名制 vs 匿名制

通常、実名に結びついたプロフィールを持つネットワークは、偽名プロフィールや匿名プロフィールを持つネットワークよりも、ネットワーク効果を生み出すのに効果的です。

フェイスブックやリンクトインなどの成功したソーシャル・ネットワークは、リアルアイデンティティ・プロフィールを大規模に必要とするものです。リアルアイデンティティは、評判と信頼が取引を加速させるマーケットプレイスとプラットフォームのビジネスにとっても重要です。

実名を使うことでユーザーのエンゲージメントが高まり、ネットワークのサイズ、密度、アクティビティが向上します。これらはすべて、組織におけるネットワーク効果を高めるために貢献します。ネットワーク効果は、ネットワーク内のノードの関与とコミットメントが高いほど強力になります。

ツイッター、Reddit、スナップチャットは、いずれも本名とは異なるユーザー名を採用していますが、それでも利用されています。これは、先に述べた匿名・偽名ネットワークとは異なり、ユーザーのアイデンティティが長期にわたって永続的で、現実世界のアイデンティティとある程度関連しているためです。

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蒸発冷却効果

蒸発冷却効果とは、価値の高いメンバーが、コミュニティから何も得られないために離れていき、コミュニティの質が低下してしまう現象のことです。

後からコミュニティに参加した新しい人は、その質が平均より低い人になる傾向があるため、コミュニティが大きくなるにつれて、コミュニティの質も低下していくのです。

それに対処し、蒸発冷却効果の影響を最小化するために、いくつかの提案があります。

まず1つ目は、ソーシャルゲートを設けることです。ソーシャルゲートには、ある程度の基礎知識がないユーザーをコミュニティに入れない形式や、長期間にわたって活動していないユーザーアカウントを定期的に削除する形式があります。また、お金を徴収することも、コミュニティの質を維持するためによく行われる方法です。

2つ目は、コミュニティの特別な貢献者に高いステータスを与えることです。コミュニティの中で高いステータスを持てば、コミュニティを離れる動機がなくなり、蒸発冷却効果のスピードも遅くなります。

最後は、開放性と人とコンテンツのマッチングの両方をコントロールすることです。コミュニティの外部開放性が高く、人々がコミュニティ内の他の人々やコンテンツを簡単に見ることができる場合、コミュニティの成長は相対的に速くなる傾向があります。しかし、このタイプのコミュニティは、蒸発冷却効果に悩まされやすい傾向にあります。

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ソーシャルネットワークのデススパイラル

メトカーフの法則が素晴らしいと思われているのは、Nが増加することを前提にしているからです。しかし、Nが減少したらどうなるでしょうか。「エフラクタムの法則」という補完法則があり、それは「ユーザーを失うと、ネットワークの価値は指数関数的に減少する」というものです。

現実の例を出すと、パーティーで人気のある人が帰り始めると、パーティーの質が下がっていくのが分かると思います。

理論的には、ソーシャルネットワークのデススパイラルは、プラットフォームやサービスがエコシステム内の最大人数 (N = max) を獲得しても、ネットワークから得られる価値 (= N²) が参加者の期待より低い場合に起こります。

この場合、リテンションは最悪で、ネットワークはかなりの確率でダメになります。なぜなら、エフラクタムの法則で説明したように、人々がサービスやプラットフォームから離れ始め、それが他の人々の離脱を加速させるからです。しかし、ローカルネットワークの一部がすでにクリティカルマスに達しており、それが十分に大きければ、ネットワークは維持されるでしょう。

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紛らわしい概念

このセクションでは、ネットワーク効果に関する紛らわしい概念を列挙します。

バイラル効果とバイラリティ

バイラル効果とネットワーク効果を混同されることがあります。ネットワーク効果はリテンションと防御力に関するもので、バイラル効果は新しいユーザーにプロダクトを使ってもらうためのものです。

バイラル効果のあるプロダクトを作るのは、ネットワーク効果のあるプロダクトを作るより簡単だと言われています。また、バイラル効果があるからといって、ネットワーク効果があるプロダクトであるわけではなく、その逆もまた然りです。例えば、JibJab、Buzzfeed、QuizUpのようなバイラル効果のあるプロダクトは一旦は成功しましたが、ネットワーク効果を持たなかったため、短期間で消滅してしまいました。

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幾何学的 (指数・非線形) 成長 vs. 線形成長

バイラル効果やネットワーク効果のないサービスやプロダクトは、直線的に成長する傾向があります。しかし、ネットワーク効果を持つビジネスがクリティカルマスに達すると、競合他社に比べてトラフィックを買う余裕があるか、バイラル効果があるため、非線形の成長を示すようになります。

強化

ネットワーク効果が発揮されると、ネットワーク効果を持つビジネスの上に他の種類の防御力を構築することがかなり容易になります。新しい防御力を構築することは、互いに影響し合い、補強し合っています。これを強化 (reinforcement) と呼びます。

規模の経済性 (スケール効果)

「規模の経済とは、生産が効率的になったときに企業が享受するコスト上の利点のことです。企業は生産量を増やし、コストを下げることで規模の経済を実現することができる。これは、コストがより多くの商品に分散されるために起こる。」

規模の効果が出始めると、ユーザーにとっては、規模の優位性がある企業を選ぶのは当然のことです。なぜなら、ユーザーが増えればボリュームが増え、それがサプライヤーからの安値につながり、そして顧客にとっては価格が安くなるからです。

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ブランド

図表にあるように、ブランドは企業にとって強力な防御力の一つであり、ネットワーク効果とは異なるものです。あなたが誰で、何をしているのかが人々に認知されることで、ブランドが出現します。確立されたブランド・アイデンティティには、心理的なスイッチング・コストが存在します。人々は、慣れ親しんだものを好む心理があるため、あなたのブランドから、なじみのない、あるいはあまり知られていないブランドへ移行する傾向は低くなります。

エンベッディング

エンベディングも、図に「EMBED」とあるように、企業にとって有力な防御力の一つです。エンベッディングは、ユーザーの活動に直接プロダクトを組み込むことによって達成され、ユーザーがかなりの時間やエネルギー、またはその両方のコストを払わずに、競合他社に置き換えることを不可能にするものです。つまり、スイッチングコストを直接的に高めます。

ユーザーが個人ではなく、組織である場合、エンベッディングはより一般的になります。個人の日常生活にプロダクトを埋め込むのは難しいからです。エンベッディングの例としては、Workday、Oracle、SAPなどがあります。


この記事がネットワーク効果の全体像を理解する一助となれば幸いです。何か質問があれば、ツイッターリンクトインのDMでお願いします。

次に何をすべきか覚えていますか?

この記事や添付されているプロダクトマネジメントの記事をただ読んで終わりにするのではなく、共感したところをハイライトして、感想や学びをGlaspに残しておきましょう。そうすれば、いつでも見返すことができ、私たち皆が同時に学習することができます。

では、また次回。
Kei


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クリプトとNFT: Web3におけるネットワーク効果

クリプトとNFTを活用したWeb3プロジェクトは、複数の種類のネットワーク効果を組み合わせているが、それらのネットワーク効果も比較的弱い…少なくとも今のところ。


▼本記事の内容
  1. イーサリアム: レイヤー1 プロトコル
  2. アクシー・インフィニティ プレイ・トゥー・アーンのNFTゲーム
  3. 結論

*この記事は「Crypto & NFTs: Network Effects in Web3」を著者の了承を得た上で翻訳したものです。

著者: Sameer Singh
翻訳者: 渡辺圭祐


Web3は、2021年の技術トレンドを決定付けるものとなっており、その中心はネットワーク効果です。まず、文脈を整理することから始めましょう。

• Web 1.0は、ユーザーがオンラインで情報にアクセスできる「読み取り専用」のインターネットの段階でした (例: Yahoo, Googleなど)。

• Web 2.0は、ユーザーが情報にアクセスするだけでなく、それを作成することもできる「読み書き」の段階への移行でした (例: Facebook、Wikipedia)。この時代の価値創造は、企業からユーザーへと移行しましたが、依然として企業が所有・運営する閉じたネットワークの中で行われていました。

Web3はインターネットの次のフェーズで、ユーザーによって所有・運営される分散型ネットワーク上で価値創造が行われることを意味しています。これは、暗号プロトコルやNFTを含む様々な補完的イノベーションによって実現されています。

この記事の目的は、Web3の可能性や技術的な複雑さを解明することではなく、この時代におけるネットワーク効果の本質に焦点を当てたいと思います。

これまで、私は様々なWeb3プロジェクトにおいて、4つのユニークなネットワーク効果モデルのうち3つ(マーケットプレイスインタラクションネットワークプラットフォーム)に出会ってきました。これらのWeb3モデルには、いくつかの共通した特徴があります。

1. ネットワーク効果はネイティブにレイヤー化されており、どのプロジェクトでも複数の形態のネットワーク効果が組み合わされています。
2. また、そのネットワーク効果は、少なくともこれまでのところWeb 2.0の亜種と比べると弱く、防御力に欠けます。

これらのパターンについて、2つのケーススタディ (イーサリアムアクシー・インフィニティ) を使って説明します。それらはまた、そのネットワーク効果がより広いWeb3の背景と多くの特性を共有しているため、代表的な例です。

イーサリアム: レイヤー1 プロトコル

イーサリアムはしばしばレイヤー1プロトコル(大文字の「L」)と呼ばれます。つまり、他のプロジェクトが作成される際の基盤となるブロックチェーンの「コンピュータ」です。上のアニメーションは、イーサリアムにおける3つの異なるタイプのネットワーク効果を示しています。それらをより深く見てみましょう。

ネットワーク効果1:イーサリアムのブロックチェーンとイーサトークン(インタラクションネットワーク)

イーサリアムのブロックチェーンは、基本的に相互に接続されたコンピュータまたはノードのネットワークです。これらのノードはトランザクションを検証し、その努力の報酬として新しいイーサトークンを「造幣」します。ノードの追加により、プロトコルのスループットまたは容量が増加し、より多くのトークン取引と開発者の活動をサポートできるようになります。一見すると、これは単純で一方的なネットワーク効果に見えます。しかし、これは見た目よりも微妙なものです。なぜなら、より多くのノードが追加されても、他のノードのプロトコルの価値が上がるわけではないからです。むしろ他のノードにとっては、取引を検証して新しいトークンを鋳造するための競争が激しくなるため、価値が下がるのです。しかし、ノードが増えることで、イーサトークンの買い手にとっては容量が増え、その分価値が上がります。トークンの買い手が増えればイーサトークンの価値が上がり、その結果、ノードがトランザクションを検証する価値が高まります。言い換えれば、これらは2サイドのインタラクションネットワークにおけるクロスサイドネットワーク効果であり、サイドスイッチングが組み込まれています (トークン購入者はバリデーターにもなり得ますし、その逆もしかりです) 。

しかし、このネットワーク構造は、いくつかの課題も生み出しています。(1) 独特の負のネットワーク効果、(2) コモディティ化リスクです。まず、負のネットワーク効果について掘り下げましょう。イーサリアムやその他の暗号プロトコルは、ネットワーク輻輳のリスクに直面しています。つまり、アクティビティが多すぎるとプロトコルのキャパシティを圧迫し、取引手数料や処理時間の高騰につながる可能性があります。そのため、ある点を超えると、あるトークン購入者の追加は、他のすべてのトークン購入者のネットワークの価値を低下させます。このような負のネットワーク効果は、Web 2.0プロダクトには存在しません。これは暗号と電話やブロードバンドのような物理的ネットワークに特有のもので、トラフィックが多すぎると速度やサービス品質が低下してしまうのです。

2つ目の課題はコモディティ化リスクです。これは、ブロックチェーンがIDに依存しない、つまり各ノードのIDが他のノードやトークン購入者にとって重要でないことが一因です。そのため、新しいノードが増えるたびに、ネットワークへの付加価値が減少していきます。これをオリジナルの電話網のネットワーク効果と比較してみましょう。ブロックチェーンプロトコルとは異なり、電話ネットワークはアイデンティティに焦点を当てたものでした。つまり、特定の人が電話を持っていない場合、他の人が持っていても、その人と連絡を取ることはできませんでした。つまり、電話網のユーティリティは普及が進むにつれて、電話できる特定の個人の数が増えるにつれて、成長し続けたのです。これに対し、ブロックチェーンのインタラクションネットワークのネットワーク効果は、その規模が大きくなるにつれて弱まり、防御力が低下します。競合するブロックチェーンプロトコルは、単に取引量や活動量に対して「十分に大きく」なれば、競争することができます。そのため、競合するブロックチェーンプロトコルとトークンが乱立することになったのです。

ネットワーク効果2: イーサリアムのスマートコントラクト(プラットフォーム)

スマートコントラクトや分散型アプリ (DAppsまたは「レイヤー2」) を作成・実行する機能は、イーサリアムのプロトコルの要となるものです。DAppsはブロックチェーンの上に作成されたプログラムで、あらかじめ指定された条件に基づいて自動的に実行されます。エンドユーザーはこのDAppsと対話・取引するためにイーサトークンを取得する必要があります。その結果、イーサリアムのプロトコルにDApp開発者が加わることで、買い手にとってのイーサトークンの価値が高まります。これは、プラットフォームの特性を多く持っていますが、いくつかの重要な違いがあります。

第一に、Web 2.0プラットフォーム (iPhone、Salesforce、Shopifyなど) に見られる「マッチング」(または「アプリストア」) 要素がありません。これは、Web3がオープンなアーキテクチャを重視しているため、設計上そうなっています。しかし、これではユーザーが適切なDAppを見つけることが難しくなり、ネットワーク効果を弱める可能性があります。もちろん、サードパーティのアプリストアが時間をかけてこれを補うことは可能です。

第二に、ここにはイーサトークン以外の基礎的なプロダクトが存在しません。プラットフォームは通常、ユーザーがプラットフォームと一緒に関与する基礎的なプロダクトを持っています。この基礎となるプロダクトは、プラットフォームによって生み出される価値のほとんどを獲得することになります。例えば、iPhoneは、iOSアプリストアの最大の経済的利益を享受しています。アプリストア (プラットフォーム) に開発者が加わることで、ユーザーにとってiPhone (基礎プロダクト) の価値が高まったのです。しかし、イーサリアムの場合、開発者の追加は、買い手にとってイーサトークンの価値を高めるだけです (参照:Fat protocols)。イーサトークンは流動的でスイッチングコストがゼロであるため、ユーザーはいつでもそれを売却して別のトークンを購入し、別のブロックチェーン (例:ソラナ) 上に構築されたDAppsにアクセスできるため、これは防御力に直接影響を及ぼします。あなたがiPhoneをAndroid携帯、Windows携帯、Blackberryに数回タップするだけで変えることができ、それぞれの開発者のエコシステムにアクセスできると想像してください。もしそうだとしたら、iPhoneのプラットフォームネットワーク効果は、たとえそれが開発者によるより迅速なイノベーションにつながったとしても、意味のある防御の形ではなくなります。これがレイヤー1ブロックチェーン・プロトコルの才能であり、呪いでもあるのです。

この2つの要因によって、ビットコインやイーサリアムを超えて、カルダノからソラナなど、新しいレイヤー1ブロックチェーン・プロトコルの波が押し寄せているのです。

ネットワーク効果3: 構築可能性 (インタラクションネットワーク)

これは、レイヤー1プロトコルに防御力が無いということではありません。レイヤー1プロトコルは、開発者側のスイッチング・コストの恩恵を受けることができます。これは、スマートコントラクトの構築可能性、つまり開発者が既存のスマートコントラクトのコンポーネントを「リミックス」して新しいスマートコントラクトを作成できることに大きく起因しています。これは、TikTokのクリエイターが他の動画をリミックスして新しい動画を作成することと類似している部分があります。これは、プラットフォームの上に重ねられた別のネットワーク効果 (インタラクションネットワーク) と考えてください。あるプロトコルのスマートコントラクトが多ければ多いほど、開発者が新しいものを作るのは容易になります。しかし、クロスチェーンの構築可能性、つまりプロトコルをまたいで構築されたスマートコントラクトの構築可能性は、防御力への影響を希薄にする可能性があります。

ここで、イーサリアムや他のレイヤー1プロトコルの上に構築された実際の例であるDAppsに話が及びます。これらの多くはNFTを利用しており、簡単に言えば、ユニークなデジタル資産 (例えば、コレクションカード) と考えることができます。LootBored Ape Yacht ClubCryptoPunksのように、魅力的なコミュニティと行動を生み出しているものもあります。しかし、その価値や有用性がまだ不明確であるため、彼らのネットワーク効果を分類することは困難です。これは技術サイクルの初期段階では珍しいことではなく、実験することと伝道することが常に実用性に先行しています。他のタイプのDAppsはすでに明確なネットワーク効果を持っています。例えば、プレイ・トゥ・アーンのゲーム、つまりプレイヤーが遊ぶことによってトークンを獲得できるゲームです。その中で最も顕著なものを見てみましょう。

アクシー・インフィニティ プレイ・トゥー・アーンのNFTゲーム

アクシー・インフィニティは、2021年11月現在、月間プレイヤー数が220万人を超える最大のP2E (Play to Earn) ゲームです。上のアニメーションでご覧いただけるように、アクシー・インフィニティは4つの異なるネットワーク効果を兼ね備えています。

ネットワーク効果1:P2Eゲーム (インタラクションネットワーク)

このゲームはポケモンと似ているところがあり、プレイヤーはアクシーと呼ばれる生き物を育成し、バトルし、トレードできます。各アクシィは様々な属性とタイプを持っており、他のタイプに対して効果があったりなかったりします。プレイヤーは、バトルやその他のゲーム内のチャレンジに勝つと、報酬としてスムーズラブポーション (SLP) トークンを獲得します。このトークンを取引したり、売却することで、プレイヤーの収入源とすることができ、これが本作の「稼ぐ」要素です。

もちろん、これはマルチプレイヤーゲームなので、『Minecraft』や『Fortnite』のようなインタラクションネットワークになります利用者数が高ければ、他のプレイヤーとの発見、バトル、トレードの機会も多くなります。そのため、収入を得る能力も利用率に関係しています。ただし、これもアイデンティティにとらわれないもので、各プレイヤーのアイデンティティは重要ではありません。そのため、プレイヤーの利用率が上がっても、ゲームのユーティリティや稼ぐ力はある一定以上には上がりません。これは、このネットワーク効果の防御力に直接的かつマイナスの影響を及ぼします。

実際、初期のデータでは、プレイヤーの普及が進むとネットワークの混雑が生じ、稼ぐポテンシャルが低下する、つまり負のネットワーク効果が生じていることが指摘されています。これは、他のP2Eゲームにプレイヤーを奪わせ、競争させる絶好の機会を与えることになります。ですから、Splinterlands のような代替 P2E プロジェクトが人気を博していることは、驚くことではありません。Illuvium や Blankos Block Party のような今後登場するプロジェクトも、強い関心を集めています。

ネットワーク効果2: アクシー・マーケットプレイス (マーケットプレイス)

アクシー・マーケットプレイスは、アクシー・インフィニティのネットワーク効果の第2レイヤーとなるものです。この名前は一目瞭然で、プレイヤーがアクシー (およびその他のゲーム内アイテム) を売買するためのマーケットプレイスです。これは、サイドスイッチのあるWeb 2.0のマーケットプレイス (例: Poshmark) と劇的に異なるものではありません。その結果、マーケットプレイスのネットワーク効果は、ゲームのインタラクションネットワーク効果を強化することになります。プレイヤーはより多くのアクシーを繁殖させ、ゲーム内アイテムの多様性を高め、ゲームの価値と魅力を高めるのです。

注意すべき点は、アクシーはNFTであるということです。つまり、プレイヤーが自分のアクシーをOpenseaのような他のNFTマーケットプレイス (それ自体が強力なネットワーク効果を持つWeb 2.0スタイルのマーケットプレイス)で販売することを妨げるものは何もないのです。しかし、それぞれのアクシーはユニークな属性を持っており、アクシーの供給は非常に多様です。また、アクシー・マーケットプレイスはゲームと統合されているため、Openseaのようなサードパーティマーケットプレイスと比較して、ユニークなアクシーやゲーム内アイテムの「ロングテール」を集約することがはるかに容易です。その結果、2021年11月現在、アクシー・マーケットプレイスの取引者数はOpenseaの40%増となっています。

供給の差別化のおかげで、アクシー・インフィニティのマーケットプレイスを構成している要素は高い防御力を持ち、すなわちアクシー・マーケットプレイスはゲーム内アイテムの購入先であり続ける可能性が高いです。ただし、マーケットプレイスは、プレイヤーが他のP2Eゲームに移行するのを防ぐことはできないため、ゲームのエンゲージメントを維持するという防御力があることになります。

ネットワーク効果3:DAO(インタラクション・ネットワーク)

アクシー・インフィニティは、もともとスカイメイビスチームによって作られたものです。しかし、スカイメイビスはAxie Infinity Shards (AXS) という別のトークンの助けを借りて、アクシー・インフィニティのガバナンスをDAO (分散型自立組織) に移管することを目指しています。アトミコエンジェル (Atomico Angel) の仲間サラ・ドリンクウォーターはDAOを「目標とお金を共有したグループチャット」と表現していますが、これは正確な要約です。簡単に説明すると、AXSトークンの保有者は、アクシー・インフィニティ・プロジェクトの将来のロードマップを管理し投票するグループ (またはDAO) の一員となり、本質的に分散型経営陣の役割を担うことになるのです。

これはまた別の形のインタラクションネットワークであり、アイデンティティが防御力に影響します。この場合、ユーザーのアイデンティティの重要性はネットワークの規模に依存します。DAOの初期段階では、すべての参加者がお互いを知っており、信頼しているため、アイデンティティが重要になります。ユーザーが加わることで、視点の多様性が増し、アクシー・インフィニティ・プロジェクトへの影響も大きくなります。しかし、より多くの人がAXSトークンを取得し、エコシステムに参入することで、DAOは一握りの参加者から数千人以上に拡大することが可能です。スケールすると、AXS保有者の追加が、それ以上の価値をプロジェクトに与えることはなくなります。つまり、ネットワーク効果の価値は時間とともに平坦化または漸近化し、防御力が低下します。

しかし、DAOには他の利点もあります。オーナーシップとプロジェクトの将来について投票できるため、別の形の防衛力を導入できるのです。つまり、プロジェクト/コミュニティの成功 (および他者の失敗) に対する感情的な愛着や部族的な忠誠心です。これはネットワーク効果というよりも、心理的なスイッチングコストです。しかし、この場合、ネットワーク効果そのものよりも意味のある防衛力の一形態となる可能性があります。

ネットワーク効果4:アクシー・インフィニティ奨学金プログラム(プラットフォーム)

アクシー・インフィニティの最後のネットワーク効果レイヤーは、アクシー・インフィニティが生み出したエコシステムと関連しています。アクシー・インフィニティをプレイするためには、プレイヤーはアクシー・マーケットプレイスから3つのアクシーを購入する必要があり、最も安いものでも約200ドルかかります。これは、多くのプレイヤー、特に新興国のプレイヤーにとって大きな投資となります。この参入障壁を低くするために、アクシーを志望者に「レンタル」する「奨学金」プログラムが登場しました。奨学生がゲームから得た収益の一部を奨学金制度に提供する仕組みで、学生ローンとあまり変わりません。奨学金制度が増えれば、「アクシー・インフィニティ」は新たなプレイヤーにとって身近な存在になります。また、「アクシー・インフィニティ」を利用したい人が増えれば、奨学金制度の市場ポテンシャルが高まります。これは、アクシー・インフィニティを基軸としたプラットフォームとしての性格を持ちます。しかし、これはアクシー・インフィニティに限ったことではありません。これらのプログラムの多くは、Yield Guild Gamesのように、その後、The Sandboxのような他のP2Eゲームに拡張されています。それらのように、ここでのネットワーク効果は弱いままであり、持続的な防衛力の源泉とはなっていません。

結論

これらのケーススタディは、魅力的なクリプトとWeb3プロジェクトの多様なリストの中の2つに過ぎません。しかし、これらのネットワーク効果のパターンの多くは、Web3全体でも見られます。つまり、ネイティブにレイヤー化されたネットワーク効果で、防御力が比較的弱いのです。このことから、私は2つの予備的な仮説を立てました。

1つ目の可能性は、この時代、真のネットワーク効果はもはや構造的な防御力のソースとしては意味をなさないということです。その代わり、防御力は各プロジェクトコミュニティの部族的・心理的なスイッチングコストに依存することになります。この可能性は無視できませんが、私は懐疑的です。心理的なスイッチングコストは現実のものですが、この説明では、この時代にまだ起こっていないイノベーションの量をごまかすことになります。また、アクシー・マーケットプレイスやOpenseaは、たとえそれが今のところWeb 2.0を彷彿とさせるとしても、強力なネットワーク効果がまだ可能であることを示しています。

2つ目の可能性は、持続可能な防御性が現れるには、Web3のサイクルではまだ早すぎるということです。Web 1.0の初期の頃のYahooやWeb 2.0のMyspaceと似ていますね。言い換えれば、ほとんどのプロジェクトはまだWeb3の機能を試している段階であり、長期的な勝者 (より強力で防御可能なネットワーク効果) は、この実験段階の後にしか現れないでしょう。これが私の結論です。

もし、2つ目が最も可能性の高い説明であるならば、今後のWeb3プロジェクトにおけるネットワーク効果を評価するための幅広いフレームワークが必要です。ネットワーク効果には確かに面白いニュアンスがありますが、それを定義する基本的な問いは変わりません。

  • インタラクション: ユーザーはどのように他者と交流しているのか?
  • ネットワーク効果: あるユーザが加わることで、すべてのユーザの価値が向上するか?
  • スケーラビリティ (拡張性): 新しいユーザーはどのような形で価値に影響を与えるか?何か制限はあるか?
  • 防御性: 利用が進むにつれて、どのように変化するか?

これらの質問は、Web3プロジェクトの可能性を評価する上で非常に重要です。Web3の能力とより強力なネットワーク効果レイヤーを組み合わせたものが、この時代の最大の勝者になる可能性があります。

謝辞 サラ・ドリンクウォーターカイル・トレイジ
この記事についてご意見をいただきました。


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Status Monkeys (Status as a Serviceフレームワークを用いた社会的ネットワークとしてのNFTの分析)

Status as a Serviceフレームワークを用いた社会的ネットワークとしてのNFTの分析

先週の月曜日から新たにNot Boringに参加された1,901名の方々を歓迎します。67,713人のスマートで好奇心旺盛な人たちと一緒に、ここで購読してみませんか?

こんにちは、皆さん👋 

土曜日、プジャと私はCOVID以来初めての郊外での結婚式に行ってきました(クープとリズ、おめでとう!)。リッチモンドまでの往復で車の中にいる時間が長かったので、ワイルドなアイデアを考える時間がたくさんありました。

では、さっそくご紹介しましょう。


▼本記事の内容
  1. Status Monkeys
  2. Status as a Service(サービスとしてのステータス)
  3. NFTの最近の歴史を振り返る
  4. Investment as a Status(ステータスとしての投資)

* この記事は、「Status Monkeys」を著者の了承を得て翻訳したものです。

著者: Packy McCormick
翻訳者: 渡辺圭祐


Status Monkeys

この週末、ツイッターではThe DEADが私を追いかけてきました。Haley Joel Osment的な意味ではなく、このアバターがどこにでも出てきていたのです。

知らない人のために説明すると、この緑の男はCryptoPunkです。CryptoPunksは24×24ピクセルアートのNFTで、その数は10,000個にも及びますが、今後増えることはないでしょう。2017年6月にLarva Labsが作成したCryptoPunksは、OG NFTです。新しいNFTプロジェクトが刻々と登場する中、CryptoPunksはその古さゆえに希少価値があります。

そのため、ここ数週間でNFTの価値が急上昇すると、CryptoPunksがその先頭に立ちました。最も高価なPunkは、3月に4.2k ETHで販売されました。現在では757万米ドルの価値があります(2021年8月9日時点)。今、自分だけのPunkを購入したい場合、最も安いものでも51.85ETHです。これが最低価格です。この価格では、より一般的なPunkが購入できます。上の写真のようなApe、Alien、ZombieなどのレアなPunkを購入するには、もっと多くのETHを支払う必要があります。

その他、CryptoPunksについて知っておくべきことをいくつかリストアップします。

• Punkを所有することは、フェラーリや高価なハンドバッグを所有するようなステータスシンボルです。
• Punkのオーナーは、自分のPunkの画像をプロフィール画像(PFP = picture for proof and profile pic)として使用することがよくあります。
• 自分が所有していないPunkをプロフィール画像として表示すると、顰蹙を買います。

この週末、何百人もの人がプロフィール写真を、金曜日のオークションで1,201.725ETH(375万円)で落札された、あのたった一枚のZombie Punkに変えました。これほど多くの人が、分解されたパーティーハットの絵文字をつけたPunkを表示しても、誰も眉をひそめませんでした。

金曜日のオークションでは、478人の人々がPartyBidに参加しました。PartyBidは、Anish Agnihotri氏とPartyDAOのクルーが作った新製品で、人々がチームを結成してNFTに入札することができ、リソースをプールして、金持ちクジラに対抗して数百万ドルのPunkを狙うことができます。彼らは自らをParty of the Living Deadと呼びました。そして、彼らは勝利したのです。

ソース: Chuck Anderson

PartyBidは、NFTをよりソーシャルなものにしています。前もって文字通りのパーティーを行い、後ろでは何百人もの人々が高価なNFTを購入し、所有し、一緒に管理する機会を提供しています。そのソーシャル性はウェブサイトを見れば一目瞭然で、まるでFigmaMasterworksが子供を産んだかのように、カーソルやコメントがリアルタイムで飛び交っています。金曜日のオークションが進むにつれ、動くカーソルや絵文字で表現された何百人もの人々が、目に見えてサイト内をズームしていきました。言葉で説明するのは難しいのですが、上の画像を見ていただければわかると思います。ぜひ、ご自身で訪れて確認してみてください

ゾンビのようにNFTは死んでいるはずでしたが、どうなっているんでしょうか?

私には仮説があります。

木曜日の夜、Sriram KrishnanAarthi Ramamurthyと共にクラブハウスのGood Time Showに出演し、Gabby Dizon(YieldGuild)、3LAU、Donnie Dinch(Bitski)、Jarrodd Dicker(The Chernin Group)、Jon Lai(a16z)、Jesse Walden(Variant)とメタバースについて議論しました。

Not Boringの読者は、この時点でメタバースについてよく知っているでしょう。何ヶ月も何ヶ月も前から話題にしていますからね。メタバースに結びつけられそうなものは何でもメタバースに結びつけてしまう罪深さがあります。

ここ数週間でメタバースは主流になりました。Matthew Ballは9部作のシリーズを発表しました。Satya Nadellaはエンタープライズメタバースについて語りました(楽しそう!)。ZuckとCoは、この2週間で100万回も「メタバース」と口にしました。Ben Thompson氏はメタバースに関する記事を書いています。

メタバースではNFTが重要な役割を果たします。あらゆるものがデジタル化されたとき、自分が何かを所有していることを証明し、それをインターネット上で持ち運べるかどうかが鍵となります。しかし、これはメタバースの一部ではありません。ソーシャルネットワークの一部なのです。

Good Time Showでの会話の中で、Jarrod DickerがWeb3におけるコミュニティとステータスの重要性を持ち出したこと子供の頃の考えを呼び起こしました。NFTは、Eugene Wei氏のStatus as a Serviceにあるように、ソーシャルネットワークとして成功するための多くの要素を満たしています

完全なメタバースが登場する前に、JPEGよりも大きな何かがすでに起こっています。NFTは他のソーシャルネットワークやコミュニティの上に位置する新しいタイプのソーシャルネットワーク、つまりスーパーバースのようなものだと感じ始めており、ソーシャルネットワークを評価するのに、Wei氏が提唱したStatus as a Service(StaaS)以上のフレームワークはありません。

Status as a Service(サービスとしてのステータス)

(Status as a Serviceを読んで理解された方は、このセクションは読み飛ばしていただいて構いません)

Amazon、Hulu、Flipboard、Oculusでプロダクトリーダーを務めたEugene Weiは、インターネット上で最高の技術系エッセイストの一人です。彼が書いたものはすべて実質的に規範となりますが、2019年2月に書いたStatus as a Serviceは、彼の最大の貢献と言えるかもしれません。

この作品を見るとNot Boringが短く感じられます。なんと19,825語もあるのです。まだ読んでいない方はぜひ読んでいただきたいのですが、とりあえず、この作品に関連するいくつかの要点をまとめておきます。

StaaSは2つの原則から始まります。

• 人はステータスを求めるサルである
• 人はソーシャルキャピタルを最大化するために最も効率的な道を探す

これらは議論の余地がないですが、Wei氏は社会的ネットワークをステータスやソーシャルキャピタルの次元で分析してはいけないと主張しています。お金の方が簡単で、数字があり、測定されたものが分析されるからです。

ソーシャルキャピタルは多くの意味で金融資本の先行指標であり、その性質はより厳密に吟味されるべきものです。投資やビジネスの手法として優れているだけでなく、ソーシャルキャピタルのダイナミクスを分析することで、他の方法では不合理と思われるあらゆる種類のオンライン行動を説明することができるのです

Wei氏はNFTが流行する2年前に、1,000語にも満たない文章で、知らず知らずのうちに、今起きていることを分析するための基礎を築いていたのです。NFTはソーシャルキャピタルと金融資本の境界線を曖昧にするもので、メディアがすぐに指摘したように、数千ドル、数百万ドルのJPEG画像を購入することは不合理に思えます。

NFTを否定する人々が犯している過ちは、ソーシャルネットワークの分析において人々が犯している過ちと同じで、ソーシャルキャピタルの重要性を見落としているということです。従来、ソーシャルネットワークのネットワーク効果を説明する際には、以下のメトカーフの法則が用いられてきました。

通信ネットワークの価値は、そのシステムに接続しているユーザーの数の二乗(n^2)に比例する

この法則によれば、ソーシャルネットワークのユーザー数が多ければ多いほど、新しいユーザーにとっての価値が高まることになります。

問題はメトカーフの法則が現実の世界で起こっていることを完璧には説明できないことでした。メトカーフの法則によると、最初に大きくなったネットワークが新しいユーザーにとって最も価値があるため、ますます乗り越えられないリードを築き続けることが予測されます。しかし、フェイスブックはMySpaceを倒し、インスタグラムとスナップチャットは若いユーザーの関心をフェイスブックから奪いました。人々の嗜好はそれほどきれいには捉えられません。

ネットワーク効果やメトカーフの法則が間違っているのではなく、人々が純粋なユーティリティを超えてソーシャルネットワークを利用する理由が捉えられていなかったのです。そこでWei氏は、ソーシャルキャピタルを加えた、ソーシャルネットワークの強さを分析する新しいフレームワークを提案しました。

ソース: Eugene Wei

Wei氏はソーシャルネットワークの強さをソーシャルキャピタル、エンターテインメント、ユーティリティの3つの軸で評価しています。彼は記事の中でソーシャルキャピタルとユーティリティに注目しました。

ユーティリティは比較的理解しやすいです。Quoraで質問の答えを見つけたり、フェイスブックで連絡先がわからなくなった高校時代の友人に簡単に連絡が取れたりすれば、それらの製品はあなたにユーティリティを提供していることになります。

一方、ソーシャルキャピタルは定義が難しく、「成功したステータス・ゲーム」の創造に依存しています。新しいソーシャルネットワークが成功するものと失敗するものがある理由を説明するために、彼は暗号通貨というメタファーを使いました。

新しいソーシャルネットワークは、4つの点でイニシャル・コイン・オファリング(ICO)に似ていると言います。

1. 新しいソーシャルネットワークは、新しい形のソーシャルキャピタルであるトークンを発行する。
2. トークンを獲得するためには、プルーフ・オブ・ワーク(仕事の証明)をしなければならない。
3. 時間が経てば経つほど、各ソーシャルネットワークで新しいトークンを採掘することが難しくなり、希少性が生まれる。
4. 多くの人々、特に年配の人々は、ソーシャルネットワークと暗号通貨の両方を嘲笑する。

実にいい比喩ですね。ビットコインとツイッターを例にとります。

1. ビットコインはビットコイン(BTC)を発行する。ツイッターはフォロワーを「発行」する。
2. マイナー(採掘者)はネットワークの安全性を確保するためにBTCを受け取る。ツイッターのユーザーは、140字/280字以内で気の利いたこと、面白いこと、心を開くようなことをつぶやくことでフォロワーを得る。
3. BTCを採掘するには以前よりもコストがかかり、2100万BTCがすべて採掘されるまでは、さらに難しくなる。ツイッターの初期には昼食に何を食べたかをつぶやくことでフォロワーを得ることができたが、現在では長いスレッドに頼るようになった。
4. これは自明である。

ビットコインもツイッターも15年前には存在しませんでした。しかし、今ではどちらも圧倒的な存在感を示しています。これらはアーリーアダプターに報酬を与え、ネットワークのために仕事をするインセンティブを与え、新しいトークンを採掘するのがますます困難になるようにすることで、無から有へと起動したのです。

4つのポイントはどれも理解しておく必要がありますが、最も役に立つのはステータスゲームにおけるプルーフ・オブ・ワークの考え方です。ツイッターに登録した人が登録しただけで100万人のフォロワーを獲得したとしても、100万人のフォロワーを持つことにソーシャルキャピタルはありません。フォロワー数が多いということは希少価値があるということであり、プルーフ・オブ・ワークの要件がその希少性を生み出しているのです。

エンターテインメントを抜きにして、Wei氏はソーシャルネットワークが辿ることのできる5つの曲線について語っていますが、そのうちの4つはソーシャルキャピタルと時間経過によるユーティリティのトレードオフです。

ソース: Eugene Wei

• 最初にユーティリティ、次にソーシャルキャピタル
ツールのために来て、ネットワークのために留まる(Come for the tool, stay for the network)」。インスタグラムはまず簡単な写真編集ツールでユーザーを魅了し、写真をベースにしたネットワーク上に人々が巨大なフォロワーやビジネスを構築するようになりました。

• 最初にソーシャルキャピタル、次にユーティリティ
Wei氏はFoursquare、Wikipedia、Quora、Redditをソーシャルキャピタルの付与を約束して人々に無料で仕事をさせ、それが大衆にとってのユーティリティーとなった製品として紹介しています。

• ユーティリティはあるが、ソーシャルキャピタルはない
メッセージングアプリは知り合いとのコミュニケーションには非常に便利ですが、ユーザーがソーシャルキャピタルを構築するのにはあまり役立ちません。

• ソーシャルキャピタルはあるが、ユーティリティは少ない
Wei氏はフェイスブックをこのカテゴリーに入れており、彼の友人の多くがフェイスブックを使うのをやめても生活に何の影響もなかったと述べています(これは私にも当てはまりますし、皆さんの多くにも当てはまるのではないでしょうか)。

• ソーシャルキャピタルとユーティリティーの両方を同時に持つ
5つ目のカテゴリー「聖杯」です。その例として、Wei氏は中国のWeChatを挙げています。WeChatはフェイスブックのようなMomentsフィード(ソーシャルキャピタル)と、私が過去の記事で書いたような多くのユーティリティーを組み合わせています。

人々はWeChat を使って友人にメッセージを送ったり、買い物をしたり、ニュースを読んだり、ゲームをしたり、実店舗で支払いをしたりしています……携帯電話でできることはほとんどすべてWeChatでできます。

WeChatは最初からソーシャルキャピタルとユーティリティーの組み合わせを実現していましたが、これは欧米ではあまり真似されていません。

しかし、Wei氏はうまくいったソーシャルネットワークであっても、成長を制限したり、完全な崩壊につながる2つの漸近線があることを指摘しています。

社会的漸近線の1つ目は、プルーフ・オブ・ワークです。
世界中の誰もが特定のソーシャルネットワーク上でソーシャルキャピタルを獲得するために必要なことをできるわけではないので、上限ができてしまうのです。私はTikTokに魅了されていますが、TikTokで動画を作ったことはありません。私はダンスが得意ではありませんし、TikTokのアルゴリズムが要求することを上手にこなすための努力はしないからです。TikTokは今でもとんでもない速さで成長していますが、ソーシャルネットワークが大好きな私でさえ使わないのであれば、どこかに天井があるのではないでしょうか。

社会的漸近線の2つ目は、ソーシャルキャピタルのインフレとデフレです。
インフレの側面は、あるソーシャルネットワークが成功しすぎて、多くの人が利用するようになると、その企業は必然的にアルゴリズムフィードを導入して、ノイズを全て処理する必要が出てくるということです。Wei氏はフェイスブックがアルゴリズムフィードを導入するのは、常にあり得ることだったと主張しています。なぜなら、豊富なデジタル世界で唯一の希少な資源はユーザーのアテンションであり、ユーザーが最も関心を持ちそうなものを配信する必要があるからです。理にかなっていますが、オーディエンスとのつながりをフェイスブックに依存していた企業にとっては厳しい状況でした。

デフレの側面では、ソーシャルネットワークは多くの人が参加すればするほど、クールでなくなっていきます。典型的な例は、フェイスブックに親が参加し始めた時に起こったことで、若者は皆、インスタグラムやスナップチャットに移ってしまいました。クールな子供たちが去り始めると、少しばかりクールでない子供たち、次のグループ、その次のグループと続き、また、クールでないグループ(この場合は親)がどんどん参加してくるので、クールである割合は急速に悪化していきます。

その時点で、その製品やサービスはユーティリティ軸上で可能な限り遠くに移動していなければ、解約の速度が速く鼻血が出る可能性がある」とWei氏は注意を促しています。

以下が議論の重要ポイントです。

• ソーシャルネットワークは、ネットワーク効果だけでなく、それ以外の要素も含めて分析する必要がある。

• 分析には3つの軸があります。ソーシャルキャピタル、ユーティリティー、エンターテイメントである。

• 新しいソーシャルネットワークはICOのようなもので、特に成功したものは適切な難易度のプルーフ・オブ・ワークを用いて希少性とステータスを生み出すことができる。

• ソーシャルネットワークには様々な道筋があるが、一番良いのは最初からソーシャルキャピタルとユーティリティが高いことである。

• 成功したソーシャルネットワークであっても、プルーフ・オブ・ワークの上限とソーシャルキャピタルのインフレ/デフレという2つの漸近線に直面する可能性がある。

• 高いソーシャルキャピタルでスタートしたネットワークが生き残り、成功するためには、これらの漸近線に到達する前にユーティリティを構築する方法を見つけ出す必要がある。

Wei氏は記事の残りの部分で、例を挙げて、この問題に豊かさを加えています。読んでいただきたいのですが、今回の目的のために、特に価値のある豆知識をいくつか紹介します。

• ソーシャルキャピタルは一時的なエネルギーとして利用できる
「このようなソーシャルキャピタル蓄積のインセンティブは、ステータスへのポテンシャル(位置)エネルギーを、ベンチャーが必要とするあらゆる形の運動エネルギーに変換する方法と考えることができます」。

• 新しいプルーフ・オブ・ワークがステータスゲームを長くする
ソーシャルネットワークが、ステータスゲームの半減期を長くするために新しい形のプルーフ・オブ・ワークを追加する必要がある理由と、ゲーム会社から学べることについて。「ラスベガスのカジノゲームは、リアルマネーを支払うことで、プレイのROIに魅力的なフロアを設定しています。MMORPGの中には、ゲームをプレイするという純粋なスキルの挑戦よりも長く続く、コミュニティの感覚のような他の利益をプレイヤーに提供しているものもあります。」

• ソーシャルキャピタルと金融資本はお互いに交換可能である
「レベルアップしたWorld of Warcraftのキャラクターという無形の資産がマーケットで売られた時にその価値が分かるように、こうした取引によってソーシャルキャピタルに具体的な価値を与えることができるのです。」

• ソーシャルグラフの移植性の欠如は、ユーザーにとってフラストレーションとなる
これは特に重要で、従来のソーシャルネットワークとNFTの主な違いを強調しているので、ここで大きく引用しておきます。

グラフの移植が制限されていることは、既存のソーシャルネットワークの観点からはポジティブなことですが、ユーザーの観点からはフラストレーションが溜まります。独占禁止法の消費者福祉基準に基づいてソーシャルネットワークに取り組むことの難しさを考慮すると、巨大なネットワーク効果ビジネスの力を抑制するためのオプションとして、(多くの人が提案しているように)ユーザーが自分のグラフを他のネットワークに持ち込むことを許可することが挙げられるでしょう。これにより、ソーシャルネットワークはソーシャルキャピタルの軸では力を失い、ユーティリティーやエンターテイメントの軸での競争を余儀なくされます。

もし、ソーシャルネットワークの利点を、よりポータブルで分散化されたパッケージで得られるとしたらどうでしょう?今こそ、それをNFTに委ねる時なのです。

NFTの最近の歴史を振り返る

非常に簡単なおさらいですが、NFTはNon-Fungible Tokenの略です。NFTの特徴は、デジタル資産に希少性を持たせることです。希少性はエキゾチックカーや美術品、希少な切手のように、デジタル資産に価値を与えます。BeepleのEverydaysは、もし所有者が公式版を購入したことを証明する手段がなければ、6930万ドルでは売れなかったでしょう。

ソース: Beeple

NFTは2017年にCryptoKittiesで始まりましたが、2021年初頭に本当に熱くなりました(私が最初に書いたのは1月後半です)。BTCとETHが史上最高値を更新する中、BeepleとNBA TopShotが牽引しました。新しく暗号化された金持ちは、金持ちがすることをした: アートを買った。NFTは、信じられないような顔をされ、おもちゃのように扱われた。

ソース: The New York Times

そして、4月には暗号価格が暴落し、それに伴ってNFTも冷え込みました。NFTを信じられない人たちは、「ほら、jpegに何百万ドルも払う人が出てきたときにバブルだとわかったんだよ!」と言っていました。

6月には、暗号サイトのProtosが多くのブログの1つとしてこのような記事を掲載し、いずれも90%の取引量の崩壊を挙げています。

ソース: Protos

記事の2文目にはこう書かれていました。「NFTは5月3日にピークを迎え、1日で1億200万ドル分が販売された」。しかし、パーティーは正式に終わりました。「しかし、Protosが分析したデータによると、過去1週間に処理されたNFTの売上はわずか1,940万ドルでした。」

そして、この1ヶ月ほどの間におかしなことが起こりました。NFTが復活したのです。この24時間の間に、OpenSeaとAxie Infinityという2つのマーケットプレイスで1億600万ドル相当のNFTが取引されたのです。

DappRadarによると、過去30日間でトップ10のNFT市場の取引量は18億6000万ドルに達しました。

ソース: DappRadar

今回はゲイリー・ゲンスラー新会長の下でSECが規制に関心を高めていることや、インフラ法案へのワーナー・ポートマン修正案による潜在的な弊害にもかかわらず、ETHやBTCの価格が上昇していることから、ETHやBTCがNFTの価格を引っ張っているのではなく、逆にNFTが引っ張っているように感じられます。

では、なぜNFTが復活したのか、そしてなぜNFTはずっと存在し続けるのか。ここで友人のEugene Wei氏に話を聞いてみましょう。

Investment as a Status(ステータスとしての投資)

まずは、Wei氏自身が行った2つの原則から始めるのがよいでしょう。

・人はステータスを求めるサルである
・人はソーシャルキャピタルを最大化するための最も効率的な方法を探す

ステータスを求めるサルがソーシャルキャピタルを最大化するための最も効率的な方法として、デジタル・サルに変わり始めているという事実には非常にメタ的なものを感じます。

NFTサマーでは、サルが主導的な役割を果たしました。

先月のNFTコレクションの第3位は、Bored Ape Yacht Club(BAYC)です。CryptoPunksのようにBored Apesは1万匹しかいません。

ソース: DappRadar

Bored Ape Yacht Clubのウェブサイトでは、「トークンがサルのための沼地クラブの会員権を兼ねる限定NFTコレクション 」と称しています。

ソース: Bored Ape Yacht Club

CryptoPunksとは異なり、BAYCは4月30日に発売されたばかりのブランドです。しかし、ソーシャルキャピタルとユーティリティを兼ね備えていることから、すでにNFTコレクションの中で3番目に人気のあるコレクションとなっています。『The New Yorker』誌のKyle Chayka記者は、「Why Bored Ape Avatars Are Taking Over Twitter」という記事を書いていますが、その中でXMTPの創設者であるMatt Galligan氏(彼はツイッターのアバターにApeを使っています)は「高級時計や珍しいスニーカーを履くように、一種のステータスシンボルになった」と述べています。

ヨットクラブのデジタルな壁の外でも「サル」がテーマになっています。これまでで最も高価なCryptoPunks4枚のうち2枚が、そして7月に販売された最も高価な2枚が、希少なApesでした。

ソース: Larva Labs

人々がピクセル化されたサルの写真に何百万ドルも費やすことが不合理に思えるとしたら、「ソーシャルキャピタル・ダイナミクスを分析することで、他の方法では不合理に思えるあらゆる種類のオンライン行動を説明することができる」ということを思い出しましょう。

というわけで、明らかに現実味を帯びてきたものを否定するのではなく、もう少し深く掘り下げて、エンターテインメントも含め、StaaSの軸にNFTを取り入れてみましょう。

ソース: Status Monkeys


上のグラフこそが価値あるNFTの力なのです。ソーシャルキャピタルとユーティリティーが高く、エンターテイメント性も高い。ソーシャルネットワークの三要素が揃っているのです。

ソーシャルキャピタル
NFTはゲームに参加しているソーシャルキャピタルです。それはステータスとしての投資です。CryptoPunkとApeは1万人しかいませんが、その限られたセットの中に、特に価値のあるもの、つまりステータスの高いものがあります。CryptoPunkやBored Apeを所有し、それをツイッターやDiscord、Telegramのプロフィール写真として表示することは、あなたについて何かを語ることになります。早い時期から始めたか、金持ちか、早い時期から初めて今金持ちになったかのどちらかだと言われています。高価なものを使ってソーシャルキャピタルを増やすことは、新しいことではありません。美術品、高級車、ヨット、プライベートジェット、ハンドバッグなど、大金持ちがステータスを示すために購入する希少価値の高いものはたくさんあります。ただ、NFTはより見やすく、公共性が高いのです。

ユーティリティ
NFTは投資として、Discordグループへのアクセスチケットとして、さらにはデジタルで壁に掛けられるものとしてのユーティリティも備えています。NFTが進化し、より多くの人々に浸透していけば、NFTの所有者はイベントやユニークな体験にアクセスできるようになるでしょう。

すでに、Bored Apeを購入すると、Bored Ape Yacht Clubにアクセスできます。AxiesのようなNFTは、所有することで何万人もの人々の雇用につながるという、真のユーティリティを提供します。CryptoPunk社を設立したLarva Labs社のMeebitsは、3Dモデルとアニメーションが付属しており、ゲームのキャラクターとして利用することができます。

Meebits, from Larva Labs

エンターテイメント
Wei氏は(TikTokとSorting Hatという記事が出るまで)手を出しませんでしたが、成功しているソーシャルネットワークのほとんどは、エンターテインメント軸でも高得点を出しています。TikTokはソーシャルネットワークであると同時にエンターテインメントネットワークであると言っても過言ではありません。YouTubeも同様です。人々は毎日何時間もツイッターをスクロールして、何もせずに純粋に受動的なエンターテインメントを楽しんでいます。NFTも同様にエンターテインメントです。販売状況を見るのは楽しいですし、ApesやPunkを主役にしたペルソナやオンラインキャラクターをすでに作っている人もいます。PartyBidでの入札は投資であると同時に社会的な活動でもあります。

NFTのエンターテインメントの軸はまだ始まったばかりです。Punks Comicでは16人のPunksをモチーフにしたキャラクターが登場するコミックブックを制作しており、今後も続々と登場する予定です。Bored Apesにも近々展開される予定です。

ソース: Punks Comic

それは明らかに最初のステップに過ぎません。多くのNFT支持者はNFTとして記念されない大きな文化的イベントは存在しないと考えており、それはイベント自体に反映され、現実世界で何が起こるかによって変わるかもしれません。

では、NFTはソーシャルキャピタル、ユーティリティー、エンターテイメントを提供するものですが、新しいソーシャルネットワークはICOに似ているというWei氏の考えに対して、NFTはどうなのでしょうか?両者が暗号プロジェクトであることを考えると、これはあまりにも簡単なことです。

1. 新しいソーシャルネットワークは、新しい形のソーシャルキャピタルであるトークンを発行する。✅
2. トークンを獲得するためには、プルーフ・オブ・ワーク(仕事の証明)をしなければならない。✅
3. 時間が経てば経つほど、各ソーシャルネットワークで新しいトークンを採掘することが難しくなり、希少性が生まれる。✅
4. 多くの人々、特に年配の人々は、ソーシャルネットワークと暗号通貨の両方を嘲笑する。✅✅✅

ここにはいくつかのニュアンスがあります。

NFTはソーシャルキャピタルとファイナンシャルキャピタルをより直接的に結びつけるものです。貴重なNFTを手に入れるには、鋳造されたばかりのものや、まだコミュニティが関心を持っていない時期のものをいち早く手に入れるのが一つの方法です。もう1つは、ただ飛びついて購入することです。前者は、どのプロジェクトを早期に支援すべきかを判断するためのプルーフ・オブ・ワークであり、後者はETHを提供してプロジェクトを支援し、参加するためのプルーフ・オブ・ステークに近いかもしれません。

直接的な類似点もあります。多くの人、特に年配の人は嘲笑するでしょう。

私も認めますが、NFTをソーシャルネットワークとして利用するのは橋を渡りすぎた感があります。

NFTはソーシャルネットワークではなく、どちらかというと、小さなコミュニティのように見えます。しかし、地元のエキゾチック・カー・クラブは、カントリー・クラブと同様に、ある種のソーシャルネットワークであり、分析に十分な意味を持つには小さすぎます。NFTはステータス・シグナリングとソーシャルキャピタルをグローバル・スケールでオンライン化します。しかし、フェイスブックやスナップチャット、TikTok、ツイッターがソーシャルネットワークだとすると、NFTは何か違うように感じます。

私もそう思います。しかし、それは正しい戦略でもあります。

Status as a Serviceの中で、Wei氏は「ステータス重視のネットワークでは、なぜプルーフ・オブ・ワークをコピーすることが不適切なのか?」というセクションを書いています。基本的には既存のソーシャルネットワークと同じ中核的なプルーフ・オブ・ワークの仕組みを使い、いくつかの機能を追加しても、それぞれを使いこなすには同じスキルが必要であり、人々はより多くの人がいる方に引き寄せられてしまうため、うまくいかないのです。Bitcloutはツイッターのようなものですが、暗号化されており、ツイッターと同じように、気の利いたこと、面白いこと、知的なことを言う人に報酬を与えます。違うのは、Bitcloutで成功すれば自分のトークンの価値が上がり、お金を稼ぐことができるということです。ソーシャルキャピタルと金融資本を直接交換することで、人々が仕事を複製したり、仕事を新しいプラットフォームに移したりすることは可能ですが、それは困難です。

そうではなく、全く新しい行動に報酬を与える必要があります。NFTは既存のお気に入りのソーシャルネットワークから離れてもらうわけではないので、十分に機能するでしょう。むしろ、みんなが自分の好きな既存のSNSでNFTを自慢したり、話題にしたりする方が、NFTコレクションやその保有者全員にとって良いことだと思います。話題になることで、直接的に需要が増えることもあれば、間接的にチャンスが生まれることもあります。Netflixの幹部がツイッターでみんながCryptoPunksについて話しているのを見たら、それを所有者に報酬を与える番組にするかもしれません。もしChristie’sの誰かが、自分が参加しているDiscordでみんながArt Blocksについて話しているのを見たら、Squiggleをオークションに出して、コレクション全体に信頼性と広がりをもたらすかもしれません。

SnowfroによるChromie Squiggle #5994, ArtBlocks

そうなれば、各NFTオーナー(またはオーナーグループ)は、ネットワーク上で利用できる膨大な量のソーシャルキャピタルを構築することになります。もしCryptoPunksがNetflixで番組を配信すれば、その番組に出演したPunksはそれだけで有名人になり、さまざまなソーシャルネットワークで利用できる外生的なソーシャルキャピタルを構築することができるかもしれません。

NFTは伝統的な意味でのソーシャルネットワークではありません。NFT社は存在しません。NFTには、すべてのNFTオーナーが集まり、NFT, Inc.が集約するようなホームとなる場所がありません。もしかしたらOpenSeaがやっているのかもしれません。CryptoVoxelsやDecentraland、The Sandboxのようなブロックチェーンゲーム/仮想世界のようなものかもしれません。フェイスブックの@harvard.eduアドレスのように、NFTを所有することが入場料になるような偽名のソーシャルネットワークを誰かが構築するのかもしれません。もっとも、上記のどれでもないでしょう。それは何か新しいもの、つまりスーパーバースです。

「スーパー 」は「超」という意味ではありません。NFTは他のネットワークの上に位置する、つまりスーパーなソーシャルネットワークかもしれないという意味です。

Wei氏が書いているように「グラフの移植が制限されていることは、既存のソーシャルネットワークから見ればプラスですが、ユーザーから見ればフラストレーションが溜まります」。彼は、もし規制当局がソーシャルネットワークにグラフの移植を強制すれば、「ソーシャルネットワークは、ソーシャルキャピタルの軸では力を失い、ユーティリティやエンターテイメントの軸で競争することになります」と述べています。

もし、規制の代わりに、ポータビリティ(移植可能性)の力を証明する新規参入者がいたとしたらどうでしょう。私が「暗号は偉大なオンラインゲームのネイティブトークンのようなものだ」と書いたのは、そのポータビリティのことを指しています。ある場所でステータスを獲得し、プラットフォームのリスクなしに所有し、インターネット上で持ち歩くことができます。NFTの場合もプラットフォームの盛衰に関わらず、同じことが言えます。プロフィール写真があるソーシャルネットワーク(つまり、すべてのソーシャルネットワーク)は、NFTが広がるための肥沃な土壌となります。オーナーはすでに、ツイッターのアバターとしてPunkを表示したり、インスタグラムの写真にRTFKTのスニーカーを表示したりしています。

また、移動するのは個人だけではありません。特定のNFTを集団で所有するグループ、例えばPARTY OF THE LIVING DEADやNFTを所有するDAOなどは、Discordをベースキャンプにして、新しいプラットフォームには群れをなして移動し、そこから新たな領域へのミッションを開始することができます。新しいプラットフォームでも既存のプラットフォームでも、メンバーは貴重なNFTを所有することで得られる外生的なソーシャルキャピタルをもたらし、グループとしてNFTアバターのソーシャルキャピタルを構築することができます。このスレッドでは、ミニネットワークとしての小数化されたNFTと、1万個の希少価値のある資産を何十万人、何百万人もの人々に支えられ、宣伝された1万個の希少価値のある資産に変える能力について語っています。

(アバターは新しいクランタグやギルドバナーと考えてください。NFTはメタバースの新しいソーシャルハブとなるでしょう。突然、1万人のユニークなPFPが、1万人をはるかに超える人々の間で統一されたスレッドになるのです。これが実現するのを見るのが楽しみです。パンクスとBAYCにとって非常に有望だと思います。)

Wei氏はクリス・ディクソンの「ツールのために来て、ネットワークのために残る」というアイデアについて書きました。NFTは社会的にも経済的にも最も価値のある場所に、ツールのために来て、ネットワークをもたらすことを可能にします。

NFTに関する議論はほとんど、特定のNFTの価格やNFTの総需要がもしかしたら急激に下がるかもしれないというものです。バブルでない状態にもバブルとなる箇所があります。最近では、別の2017年ヴィンテージNFTコレクションEther Rocksの需要が急増し、ロックが10万ドル以上で取引されています。このプロジェクトのクリエーターでさえ「ブロックチェーン上のペットの石」と呼んでいます。この復活はコミュニティがどこまで自分の力を発揮して価値あるものを作れるかを試すもののようです。

ソース: EtherRocks

とはいえ、NFTはWei氏の2つの漸近線に対して耐性を持つという特性を持っているようです。

漸近線1のプルーフ・オブ・ワークに対して、NFTは無限に新しいプルーフ・オブ・ワークを追加する能力を持っており、Wei氏はそれによってステータスゲームの半減期を長くすることができると述べています。Wei氏は、ゲームの寿命を一般的なゲームの寿命よりも延ばすことに成功した2つの例として、ラスベガスのカジノゲームとMMORPGを挙げていますが、これらはNFTと共通する特徴を持っています。ラスベガスのカジノゲームのように、NFTは「リアルマネーを使って、プレイのROIに魅力的な下限を設定できる」。MMORPGのように、NFTのコミュニティの感覚は純粋なスキルによるプレイの難しさよりも長く続きます。とはいえ、NFTは暗号の採用と手頃な価格からの漸進に直面するでしょう。NBA TopShotとFractionalは正しい方向への一歩であり、希少性のメリットを維持しながら、あるいは希少性をコミュニティのような他のメリットに置き換えながら、NFTをより多くの人が利用できるようにするために、さらなるイノベーションが起こることは間違いありません。

社会的漸近線2のソーシャルキャピタルのインフレーションとデフレーションに対して、NFTには分散化されているという利点があります。あるプラットフォームでは、アルゴリズムによるフィードでNFTを紹介することがありますが、NFT自体は持ち運びが可能で、所有者が好きな場所で使用・表示することができます。また、NFTは一枚岩ではなく、小さなコミュニティの集合体であり、それぞれが独自の基準を持っているため、蒸発冷却の影響を受けにくいのです。パンクは1万人しかいませんが、最終的には、それぞれが独自の基準やルールを持つ小さなコミュニティを形成する何千ものDAOや小数所有グループが存在するかもしれません。そのフラクタル構造が、よりレジリエンスを高めてくれるはずです。さらに、出資の証明や所有者が売却時期を選択できることから、親がフェイスブックを買収したようにCryptoPunksを買収するには多くの時間とお金が必要になるでしょう。

まだ早いですよ。この手のものが大好きな私でさえ、PunkやApe、その他の主要なコレクションを所有していません。もっとインフラを整備して、バラバラのNFTプロジェクトをつなぐ布陣を整える必要があります。しかし、NFTには、ツイッター、インスタグラム、スナップチャット、Discord、TikTokなどの既存のネットワークの上に、新しい形のソーシャルネットワーク、つまりスーパーバースを構築し、時間をかけて適応し、繁栄させていくための材料が揃っているように思えます。

NFTの新規プロジェクトは、ソーシャルキャピタルと金融資本の強力な組み合わせで立ち上げることができます。オーナーシップは、ソーシャルキャピタル、ユーティリティ、エンターテインメントをもたらします。次の大きなものを見つけ出すことから、「Punks Comics」のようなブランド拡張を行うこと、コレクション全体の知名度を上げるために特定のNFTをマーケティングすることまで、常に進化し続けるプルーフ・オブ・ワークがあります。Punksのオーナーは、ニューヨーク、マイアミ、ロンドンでビルボードを買い占め、情報を広めています。NFTは 「偉大なるオンラインゲーム 」の一部であり、そのルールや機会は常に進化・拡大しています。お金、ステータス、そしてコミュニティを組み合わせることで、強力なものが生まれます。

いつものように、私はこれらの話がクレイジーに聞こえることを最初に認めます。NFTは新しい形のソーシャルネットワークというよりも、流行のように感じられます。しかし、ありがたいことに、Wei氏はソーシャルネットワークの強さを評価するためのフレームワークを提供してくれており、NFTはそれに対して衝撃的なほど良い結果を出しています。Status as a Serviceの19,825語の中には、NFTがソーシャルネットワークであることを否定するような内容はあまりなく、むしろ、ほぼすべてのセクションで、その考えを支持する小さなナゲットが含まれている。

次の大きなものは、最初はおもちゃのようなものだ。次の大きなソーシャルネットワークは、最初はソーシャルネットワークに見えないかもしれない。未来は私たちが予想する以上にクレイジーなものになるだろう。そして、JPEGの所有権に基づいたソーシャルネットワークは、まさにその条件に当てはまる。

さて、何が言いたいのか?この情報で何をしますか?

ソーシャルネットワークはアーリーアダプターに報い、お金が組み込まれたソーシャルネットワークはアーリービリーバーに二重の喜びを与えます。探ってみましょう。あなたの心に響くNFTを見つけてください。PartyBidに参加しましょう。参加しましょう。そして、神のご加護のためにも、NFTを嘲笑するような年配者にはならないでください。


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