機能とプロダクトを定義する新しい方法から学ぶ。
ジョブストーリーは、プロダクトをデザインする際に、チームの会話と発見を促進する強力な方法です。雑念を排除して、片付けるべきジョブにぴったりと切り込むためのものです。ジョブストーリーは、プロダクトのデザインプロスにおいて、思い込み、主観、ペルソナ、実装ではなく、文脈、因果関係、動機に焦点を当てることを促します。
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ジョブストーリーを書くようになってから、あるストーリーが他のものより優れているという特徴に注目するようになりました。ストーリーがよくできていれば、私や私のチームは議論すべきことをすぐに切り出すことができ、全員が同じ認識に立つことができるため、プロダクトデザインプロセスを劇的に改善することができます。
ここでは、ジョブストーリーを書く際に役立つ5つのヒントをご紹介します。
- 1. 文脈的な情報を加えて状況を洗練させる
- 2. ジョブストーリーは、ペルソナではなく、実在の人物から生まれる
- 3. 機能(ソリューション)が差し込めるモジュール式のジョブストーリーをデザインする
- 4. 動機に力を加える
- 5. ジョブストーリーは単一視点である必要はない
この記事は、「5 Tips For Writing A Job Story」を著書の了解を得て翻訳したものです。
著者: Alan Klement
翻訳者: 渡辺圭祐
1. 文脈的な情報を加えて状況を洗練させる
デヴィッド・ウーが、「状況とは、あらゆる条件を含むものである」と説明したとき、私の心に響きました。私は、状況に文脈を追加することで、お客様がプロダクトや機能を使うことを躊躇してしまうような不安にも対処できる、有効なソリューションをデザインしやすくなることを発見しました。
例えてみましょう。
- 何か食べたいとき……。
- 急いでいて、何か食べたいとき……。
- 急いでいるいて、お腹が空いていて何か食べたいとき……。
- 急いでいるとて、お腹が空いていて、何かをしながら片手で食べられるものが欲しくて、次にいつ食べられるかわからないとき、……。
このような状況であればあるほど、より良いソリューションを見出すことができるのです。バージョン1では、座敷のあるレストランが利用できるでしょう。バージョン4では、ピザやスニッカーズバーが最適でしょう。

2. ジョブストーリーは、ペルソナではなく、実在の人物から生まれる
ペルソナは、思い込みや属性の寄せ集めであるため、プロダクトデザインに破壊的な影響を与えることがあります。ペルソナは、ユーザーを知っているという誤った感覚を与え、その結果、デザインにギャップを生じさせる可能性があります。例えば、ペルソナに不安な気持ちや、なぜプロダクトAとプロダクトBを選んだのか、プロダクトAとプロダクトBを選んだときに他に何があったのか、初めてアプリを開いたときに最初に何をすればいいのかわからなかった……といったことは聞くことができないのです。
ジョブストーリーは、実際のユーザーインタビューからしか生まれないのです。機能や新プロダクトをデザインする前に、実際の人々に話を聞き、彼らがあなたや競合のプロダクトを使用する際にあった不安や文脈をすべて明らかにする必要があるのです。
もしあなたがインタビューのやり方を知りたいなら、クリス・スピークとボブ・モエスタの「The Mattress Interview」を聴いてみてください。また、クリス、ボブ、エルヴィンは、片付けるべきジョブのためのユーザーインタビューをユーデミーのコースで行っています。
ペルソナを好む人がいるもう一つの理由は、ユーザーについて、あるいはユーザーから得たすべての情報を整理する方法を他に知らないからです。ジョブストーリーをどのように整理するかは、今後の記事で取り上げる予定です。
3. 機能(ソリューション)が差し込めるモジュール式のジョブストーリーをデザインする
ジョブストーリーをデザインするとき、ソリューションと混同しないことが重要です。これは、実装を定義することを推奨するユーザーストーリーとのもう一つの重要な違いです。
ペルソナ(またはシチュエーション)とソリューションを混在させる場合……。
以下は、効果的なユーザーストーリーの書き方について書かれた資料です。著者は、ユーザーストーリーを発展させるために「詳細を追加する」サブストーリーを作成することも勧めています。以下はその例です。
ユーザーとして、私はハードディスク全体をバックアップすることができる。
…そして、詳細を追加した後….
パワーユーザーとして、ファイルサイズ、作成日、更新日に基づいてバックアップするファイルやフォルダーを指定することができる。
そして……。
ユーザーとして、バックアップしないフォルダを指定することで、保存する必要のないものでバックアップドライブがいっぱいにならないようにすることができる。
上記の例から、パワーユーザーがファイルサイズ、作成日、……を基にバックアップするファイルやフォルダーを指定することをあまり気にしなかったとします。この場合、何が問題だったのか、どのように判断するのでしょうか。ペルソナが間違っているのでしょうか?機能が間違っているのでしょうか?ペルソナに対する機能が間違っているのでしょうか?

状況(ジョブ)とソリューションを分ける
ここで重要なのは、ジョブをソリューションと分けて考えると、それぞれを異なるタイミングで探索できることに気がつくということです。モジュール化されたストーリーとソリューションのもう一つの利点は、ジョブがどこで重なり合うのか、いくつかのジョブが共通のソリューションを共有することになるのかが分かるようになることです。
ジョブストーリーがソリューションや他のジョブストーリーとどのように関連するかは、別のトピックになります。その間に、ジョブストーリーと機能の関係をこのように視覚化することから始めてください。




最後の画像は、私が「シチュエーション別セグメント」と呼んでいるものを参照しています。これは、私が最近考えているアイデアで、独自に調査する必要があるトピックです。
4. 動機に力を加える
デヴィッド・ウーのもう一つのアイデアは、動機に力を加えることです。状況-動機-期待される結果というジョブストーリーのフォーマットにおいて、動機の段階は、引く力と押す力を加えることによって補強することができるのです。動機に力を加えることは、状況に文脈を加えることによく似ています。アマゾンのメーデー機能について、ロス・ベルモントは以下のように言及しています。
タブレットを使っていて問題が発生したとき、すぐに助けを得て、始めたことを終わらせることができる。
動機づけの部分にこだわってみましょう。すぐに助けを得て、力を加えたい。
状況
タブレットを使っていて、問題が発生した。
動機
すぐに助けを得たい….
力:途中だったのでイライラしている…。
力:今やっていることが終わるか不安だ。
力:助けを求めるのに緊張する……。
力:助けを求めるとバカにされそうで……。
力:自分が取り組んでいることを他人に見せるのは恥ずかしい…。
期待される結果
自分が始めたことを終わらせることができる。
ストーリーに力が加わっていれば、ユーザーをプロダクトや機能から遠ざける力を減らし、プロダクトや機能の方に引き寄せる力を高めるのに役立つソリューションをデザインすることができる。アマゾンの場合、次のようなことが考えられます。
- ヘルプを受けるのに長い時間待たされることがないよう、ユーザーを安心させる。( 今やっていることが終わるかどうか不安だ )
- カスタマーサポートの担当者がタブレットにアクセスできる範囲をユーザーが選択できるようにする。(自分が作業しているものを他人に見せるのは恥ずかしい)
- ヘルプを求めることがいかに一般的であるかをお客様に理解してもらう。( 助けを求めるとバカにされるかもしれない)
5. ジョブストーリーは単一視点である必要はない
最近、私は、ストーリーを一人の人間の視点に縛られないというアイデアを試しています。その代わりに、三人称の視点で物語を書いています。
いつ
ある人が住宅ローンを組むために銀行に行き、申込書に記入するとき。
動機
申請者は、申請が受理されたかどうかを知りたい…。
銀行員は、申込書が正しく記入されているかどうかを確認したい…。
銀行は、申込者が許容できる信用履歴を持っているかどうかを確認したい…。
期待される結果
住宅ローンが低リスクの人に迅速に提供され、それによって銀行が利益を得られると確信する。
繰り返しになりますが、私はこれらを実験しているので、人々がこれについてどう考えるかについてのフィードバックが欲しいのです。今のところ、3人称のストーリーは、eBayのようなリアルタイムの入札サイトのように、複数の関係者を相手にするプロダクトで効果を発揮しているようです。
もっと詳しく
ジョブストーリーを使ったプロダクトデザインはまだ途中ですが、このコンセプトは実践すればするほど、調整が加えられ、さらに発展していくことでしょう。これらが出てきたら、引き続きコメントしていきたいと思います。
「Your Job Story Needs A Struggling Moment」、「5 Tips For Writing A Job Story」
JTBDとジョブストーリーについて、拙著『When Coffee and Kale Compete』から、より深く理解してください。

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